ATOK2006でACTを使う (ACT on ATOK)

はじめに

オリジナルのACTについては、総合解説書を参照してください。いわゆるフル実装のACTについて解説していますが、基本的な考え方など知るために目を通していただければと思います。

さて、ATOKのローマ字カスタマイズ機能は、MS-IMEと比べて格段に自由度が高いのですがそれでもACTをフル実装するには不十分です。
そこでATOKにあるカスタマイズの制限の範囲内で充分実用的なACTを実装するようにしたのがここで解説するものです。

手っ取り早く見てみたい方は、解説ページへと進んでください。

ATOK2006でのローマ字カスタマイズの制限

 ATOK2006のローマ字カスタマイズの制限について自分で試したり、ブログのコメントなどを参考にして分かったことをメモしておきます。(以下の内容は(株)ジャストシステムには未確認です。)

・登録数の量的制限 550種類まで()だそうです
現在私がWXGで使っているローマ字カスタマイズは1100を超えていますので550という上限は低すぎますね。わたしが経験的に上限だとつかんでいる数値はさらに厳しく、527種類です。この値に収まるようにローマ字カスタマイズをする必要があります。
・句読点記号(、。)が混じるストロークはカスタマイズできないみたいです
記号キーでも「c’」→「かい」や「c;」→「かん」は登録できました。
・部分文字列ですでに登録済みのものがあると、追加登録できません
たとえばUの下段Kキーを単独で「うん」に割り当てる場合、すでに標準のローマ字綴り「KA、KI‥‥」が登録済みなので、いったんKで始まるこれらの項目を削除してからでないと、「K」→「うん」は登録できません。(これは当たり前かもしれませんが、WXGでは最長一致のものに変換してくれるのでこのような制限はなかったのです)
・読みの長さの制限 ローマ字は4文字、読みは6文字まで
これらの制限を超えるものを登録しようとするとメッセージが表示されます。読みの文字数制限は、濁点も1文字としてカウントするようです。

カスタマイズの基本方針みたいなもの

前述のようにATOK2006になってもローマ字カスタマイズにまだ制限が多いため、フル実装にはこだわらず、実用性を重視したこぢんまりとしたカスタマイズを目指します。(ほとんど使わないような読みは定義しなくても実用上は何ら問題はありません)

・通常のローマ字綴りとの互換性にあまりこだわらないことにします
たとえば、通常のローマ字綴りでは「Y」を使って拗音を作りますが、これはばっさりとやめます。拗音の打ち方はACT独特の(打ちやすい)ものだけとします。そのかわりYを二重母音「ui」キーとして使います
・Dvorak配列では母音キーの上段に句読点キーがあります。ということで涙をのんで「二重母音拡張」はあきらめます。
Dvorak配列ではそのままでも二重母音はとても打ちやすいのです。ただし「ui」だけは非常に打ちにくいです。ということでYを二重母音「ui」キーとして使うことにします。
また「よう」は[Y][O][U]と打つのはとても打ちにくいので、[Y][R]で打つようにします。

あとは、ほぼオリジナルのACT(総合解説書)の考え方を踏襲しています。しかし、今回変更したものもいくつかあります。

解説ページについて

ここからリンクする解説ページでは、キー配列(Dvorak配列)に対応した図表を使っています。

以下その図表の見方について補足しておきます。

解説ページは、子音キーつまりはじめに打つキーごとに分けています。そのキーは図表では反転表示で表しています。 その後、どのキーを打つとどんな「読み」が入力できるかが表中にひらがなで書かれています。

下の図表はカ行の例です。

左手 右手
拡人 拡人
くい きゅう から きょう
きょく きゃく

こと こく かく
きゃ きょ きぇ きゅ
 
かん こん けん くん きん かんがえ
きゃん きょん きぇん きゅん

ACTでのカ行の子音キーは右手上段の[C]キーであることが反転表示で示されています。

続いて左中段の母音キーを打つと「かきくけこ」が入力できることを表しています。

母音キーを打つ代わりにその下のキーを押すと「ん」が付加されることもこの図から読み取れます。たとえばCKと打つと「くん」が入力されます。

[C]のあとに「拗」と書かれたキー[G]を押してから母音キーを押すと拗音が入力できます。たとえばCGAと打つと「きゃ」となります。図では「か」の下の行に「きゃ」と表記されています。[G]のところの「拗」の字も一行下がって「きゃ」「きゅ」「きょ」と対応する行に書かれています。。

右手上段の[R]キーの欄には「から」「きょく」と書かれています。これは「から」はCRと打てば良いことを示しています。「きょく」はCGRと打つことを示しています。読みの表記が2行以上書かれている場合には、対応する行に「拗」や「拡」と書かれたキーがどこかにあるはずですのでチェックしてみましょう。

なお、「拗」は拗音化キーを表しています。「拡」は拡張の意味です。

実際の解説ページには、打鍵の例をいくつか示しています。その下に実際にATOKを使って打ってみるために、テキストボックスを置いています。
実際ATOK2006でカスタマイズを終えたらこの中で自由に文字を打ってみましょう。

このページの下にもあるやや小さめの図表は各ページへのリンク用です。それぞれのキーのアルファベットをクリックするとそのキーから打ち始める場合についての解説ページが表示されます。


解説ページへ


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