毎月、このホームページをチェックしている方は気付かれているとは思いますが、
2013年1月より、「ネットクーポン」を廃止しました

そして同じく3月より、昨年5月から続けていた、
「割引クーポン付きのポスティングチラシ」を終了する事になりました
正確には「クーポン付きチラシ」の終了であって、
ポスティングチラシそのものは今後も継続する予定です

それは何故か


五十七回において取り上げましたが、大切な事は割引ではなく、
「なぜこの衣類を、クリーニングに出す必要があるのか?」という、
『価値』を伝える事だと常々考えています

例えば毎年3月に行っているダウン製品30%OFFは、
「ダウンを長持ちさせるためにも、キレイにしてから保管して下さい」という、
明確なメッセージがありましたが、ネットクーポンおよびポスティングチラシの割引は、
『3000円以上に対する単なる割引』になってしまっていました

第四十七回において、「値下げ」について取り上げましたが、
危うく当社が「値下げ病」に陥る所でした


商売をしている側からすると、値引き・割引・値下げは一種の「麻薬」です

セールを行ったその瞬間は忙しくなって、「上手く行った」と思えても、
実際の数字を見ていると「忙しいだけで、利益が出ていない」という事も多々あります

しかし、しばらくすると「セールを行った時の忙しさ」が忘れられず、
焦燥感に駆られて大きな理由もなく、「とにかく割引してお客さんを呼ぼう」となってしまう


当社は小規模な店舗ではありますが、それ故に、
こういった「このままのやり方では、良くないのではないか」という結論が社内で出た場合、
即座に対応する事が出来ます
(実際、社内で相談して、その場でクーポンの廃止を即決しました)

ただし、昨年5月から続けていたチラシのポスティングは無駄ではなく、
実際にポスティングをした週には、明らかな来店数アップにつながっています
ワイシャツのチラシをポスティング行った週には、目に見えてワイシャツが増え、
汗取りのチラシの際にも同じ事がありました

大事な事は、『良いと思ったら、とりあえずやってみる事』
そして、『間違っていると思ったら、即座に修正する事』

こういった『実験と検証』を繰り返していると、
ちょっと視点・やり方を変えるだけで上手くいったり、いかなかったりします
しかし、上手く行かない原因をきちんと突き止めて改善し、その結果として上手くいった時など、
経営や販促というのは、中々に奥深く、そして面白いものであるといつも思います




第六十回:割引クーポンをやめたワケ

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

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第六十回は、当社の「商売に対する考え」について