客商売を生業とする人達の間で、2月・8月を指す
『ニッパチ』
という言葉があります

これは、「2月は寒く、8月は暑いため、多くの人が外出を控えた結果、客商売は暇になる」
という事を表しており、当社も例外ではありません

当社では閑散期(=客数が少ない時期)であるこの2・8月に、
数年前から「ワイシャツ回数券」の販売を実施しています

これは、「10枚分の価格(2000円)で11枚分使える」=1枚タダになるというもので、
プリペイドカードに代わる「毎回現金で支払う必要のない方法」としての当社からの提案、
そして何より「寒い時期も、暑い時期も、毎週Yシャツを出して頂いているお客様へのサービス」
という目的で始めました

ワイシャツ回数券の販売を開始すると、2・8月毎の波はあるものの年々売り上げが伸び、
楽しみにしているお客様も多く、今や2・8月のイベントとして欠かせない存在となっています
(2013年より、毎年2・8月の販売から、2・5・8・11月の三ヶ月おきの販売形式に変更しました)


「商売をする側」にいてつくづく感じる事は、
「お客様の反応は読めない」という事です

ワイシャツ回数券の販売を始めると、
いきなり5枚(=ワイシャツ55枚分)買う方、
「とりあえず1枚、なくなったらもう1枚」という方
また、数ヶ月ぶりに来店されて回数券だけ購入される方、
迷って迷って、販売最終日に何枚も購入される方など、
「買い方」は本当に人それぞれだと思います


回数券自体の売り上げは、全体の売り上げと比較した場合微々たる物ではありますが、
販売を始めて良かったと思うのは、「回数券の購入パターンは千差万別である」という事の発見

そして何より、回数券に関する質問
(割引率、次の販売はいつなのか、有効期限はいつまでなのかなど)を通じて、
お客様との「繋がり」を得られた事が一番の収穫ではないかな、と感じています

回数券の販売形式はずっと今のままで良いとは思っておらず、
今後も必要に応じて変えていくつもりではありますが、
「回数券の販売」そのものは今後も続けていくつもりです



第五十九回:ニッパチと回数券

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

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第五十九回は、客商売における「2・8月」について