「○○% OFF!」
「今なら半額!」


テレビやチラシ、インターネット上で、今日も値下げの情報が飛び交っています

買う側から見ていると中々分からないのですが、
売る側の視点で「なぜ、今値下げを行うのか?」を考えると、
売る側の事情が見えてきます


上手いと思うのが、マクドナルド
ナゲット半額やハンバーガー無料券で集客し、
それ以外のオーダーできちんと利益を出しています
2011年も、売り上げ・客数ともにアップしたようです

ただし、以前にハンバーガー80円で販売していた頃は、
利益を出す事が出来ず業績が落ち込み、高単価へシフトしたそうです

マクドナルドのすごい所は、ブランドイメージを保ったまま、
「マック=安い」から「マック=ボリュームのあるハンバーガー」へと、
消費者側のイメージを変えてしまった事です


しかし、「値下げ」というものは、売る側からすると一種の麻薬のような、
とても危険なものであるとつくづく思います

例えば、ある商品やサービスを30%OFFで売ったとします
それにより、客数が40%アップしました

お客さんの数が4割増しなので、大忙しです

しかし、それで儲かったのか?と言うと・・・

0.7(単価)×1.4(客数)=0.98

なんと、売り上げが下がっています

しかし、忙しいので何となく儲かった気になってしまう
そして、値下げ期間が終了し、しばらく経過したあと・・・
「値下げした時の忙しさ」が忘れられず、儲からないのにまた値下げしてしまう
正に悪循環です


今の時代、値下げには理由が必要です
ただ単に安い、では消費者は反応しなくなってきています

当社は毎年、3月にダウン製品のクリーニング30%OFF、4月に20%OFFを行っていますが、
これは、「値下げする事で、当社を利用しようという、『心理的な敷居』を下げ、
当社の技術を一度利用してもらう」という考えがあっての値下げです

また、ユニクロのような比較的安く買えるダウン製品であっても、
きちんと毎年シミヌキをしてキレイにしてから収納する事で、
それこそ3年も4年も使えますよ、という情報の発信を兼ねています


世の中に溢れる、「今だけ値下げ!」という情報

売る側の視点に立ち、「なぜ、今値下げしているのか?」を考えると、
それぞれの思惑や事情が透けて見え、非常に興味深いと思います



第四十七回:意味のある値下げとは

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

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第四十七回は、「売る側から見た値下げ」について