クリーニング豆知識

第五十三回:光による変退色

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第五十三回は、「日光や蛍光灯の光による変退色」について


夏です


節電意識の高まりや、

「クールビズ」
という考えが浸透してきた事もあり

ズボン+ポロシャツ、という格好のビジネスマンを、
多く見かけるようになりました
しかし、
「秋〜春はスーツ上下。夏はズボンだけ」という使い分けをしている場合

「夏の間だけズボンを着用している事で、
ブレザーとズボンが微妙に違う色になる

という事があります


当社でも毎年秋になると、お客様から
「上と下で色が違う。自分のものではないのでは?」
・・・というお問い合わせがあります

しかし、実際に品物を確認してみると、
ブランドは同じ。サイズも同じ。何より名前が入っている
でも上下で比較してみると、確かに微妙に色が違う・・・という事があります

原因は、日光や蛍光灯の光による変退色です



具体的には、夏の間だけ着用していたズボンの方が、
若干色あせたようになります

そして、シミや汚れではなく
「変退色」なので、
洗ってもシミヌキしても、
「元に戻る」という事はありません

もし、このような
「変退色による、上下の色の違い」が気になるという場合は、
「夏専用のズボン」というものを用意すると良いでしょう


汗をかいた、と思ったらすぐに家庭でも洗えるよう、

水洗い可能なズボン
だとなお良しです

ただし、光による変退色も厄介ですが、
やはり夏に一番気をつけなければならないのは、
汗です


汗が蓄積しているかどうか判断する場合、
分かりやすいのは、
「ポケット・ひざ裏・腰回り」の三か所です

ポケットを触ってみて、ジメジメ・ゴワゴワしていないか
または、ズボン全体に塩分が白いスジ状に
浮き出ていないか(特にひざ裏など)

汗が蓄積している、と感じたら早めの水洗いか、
ドライクリーニングのみのズボンであれば
『汗取り』をオススメします
(『汗取り』に関して、詳しくは こちら