第二百十三回:「柔軟剤のローテーション」
「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」
常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、
このコラムでは、クリーニング業者から見た
衣類に関する様々な豆知識を公開しています
第二百十三回は、「柔軟剤の匂い対策」について
「通販生活」と言う雑誌で
「臭気判定士」と言う国家資格を持つ方への
インタビュー記事があり、非常に興味j深い内容でした
仕事の内容は、その環境の匂いを「判定」して
匂いがする場合は原因を突き止め、対策するとのこと
当然ながら、匂いがキツい場所に多く出向くため
化学物質によるアレルギーが増えて行くと言う
中々に過酷な仕事のようです
ただ、インタビューの中で気になったのが
「柔軟剤の匂いが強い人には
違うメーカーの柔軟剤を3〜4種類
使い分けることを勧めている」と言う発言
以前に少し触れましたが
お預かりした衣類の一部に
柔軟剤の匂いがする場合があります
家庭洗濯の場合
柔軟剤を添加する・添加しないで
分けて洗濯する手間をかける方は少ないため
基本的に、家庭で洗濯している衣類の全てに
その家で使用している柔軟剤の匂いが付いています
特に要注意なのがセーターで
お預かりした中の一部ではありますが
かなり強い匂いを発するセーターが見受けられます
匂いと言うものは、
基本的に自分で気づくことは難しいと思います
ただ、体臭・加齢臭などと比べると
柔軟剤の匂いは、指摘する方も抵抗は少ないと思われるため
日頃から接している、周囲の人に一度
「自分の服の柔軟剤の匂いは、気にならないか」
・・・を、聞いてみて下さい
そして、もし「実は気になっていた・・・」と言われた場合
他のメーカーの、「違う傾向の匂い」の柔軟剤を
一度試してみて下さい
その柔軟剤を使い切ったら
それとはまた別のメーカーの柔軟剤を使用して
そこでもう一度、周囲の人に
「自分の柔軟剤の匂い」に付いて聞いてみて下さい
ただ、使用している香水や芳香剤など
組み合わせによっては、もっと悪くなる可能性もあります
特に、タバコを吸う方は注意して下さい
もし、セーターに柔軟剤の匂いが付いた場合
ドライクリーニングで匂いはあまり落ちないため
水洗いをしない限りは、基本的にそのままです
水洗いをしても一度で完全に落ちると言うことはなく
何度か洗ってだんだん薄くなっていく感じです
そのため、別の柔軟剤に切り替えた方が
匂い対策としては無難かつ手軽でしょう
なお、一番の匂い対策は・・・
「気にしないこと」だそうです
一度「匂いがする」と感じると
無意識にその匂いを探してしまって、更に気になる・・・
と言う悪循環に陥るとのこと
また、自分の匂いが気になる、と言う人を集めて
匂いの判定を行った所、2割は匂いがなかったそうです
自分自身の発する匂いに関しては
一応、気を付けるけど
「完全な無臭でなくては」とは思いつめない
人の匂いは、基本的にあまり気にしない
・・・くらいが、丁度良いのかもしれません