第二百一回:「ユニクロとZARA」
「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」
常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています
第二百一回は、「ユニクロとZARAの違い」について
衣替えの季節です
ブレザーやコート、オーバーが大分古くなって来たので、
今年はそろそろ買い替えようかな・・・
と考えている方も多いかと思います・・・が
もし、面倒だから着る服についていちいち考えたくない
でも、ダサいのもイヤ
たくさんの服に触れている、クリーニング業者から見て、
オススメのブランドを教えて、と言われた場合・・・
「ユニクロとZARAの組み合わせ」と答えます
以前からクリーニング日記の方でも触れていますが、
表に見えない、いわゆる下着類は、
全てユニクロで統一して良いのでは、といつも思います
涼しい・暖かいと言った機能性、長持ちする丈夫さ
何より価格がお手頃なので、
シーズンごとに買い替えてもあまり負担になりません
一方、ジャケットやコート、セーターなど
表に見える、いわゆる上着やスカート・ズボンなどは
ユニクロの製品を見て、ZARAの製品を見て、
良いと思った方を買う、で良いかと思います
ユニクロの製品で言うと、「感動〇〇」シリーズが
派手さはないものの、無難でオススメです
ただし、ZARAの製品には、3点ほど注意が必要です
@品質表示を切り取らない
当社に持ち込まれる中で、
品質表示が切り取られている服ナンバー1が、ZARAです
一つ一つが長い上に、各国の法律に対応した
複数言語の表示が付いているため
オーバー・コートのような冬物衣類でも、
肌に当たって違和感があります
ただ、だからと言って品質表示を切り取ると、
クリーニング店に持ち込んだ場合、
クリーニングを受け付けてもらえない可能性があります
この点について、決定権はクリーニング店側にあります
ZARAの表示はずっと前からこの形であり、
いつまで経っても品質表示の形状が変わらないので、
おそらく今後もずっと、この形のままでしょう
このあたりは、ユニクロとZARAで方向性が違うと感じます
つまり、ユニクロは販売する国ごとに品質表示を変えて、
「服を着た人が、不快に感じない」ことを
重視した表示を付けているのに対して
ZARAは、表示を国ごとに変えると言うコストをかけず、
輸出する国の法律をクリアしていれば良い、と言う考え方です
Aたまに「外れの製品」がある
ごく稀にではありますが、色落ちするZARAの製品があります
いわゆる「ハズレ」の個体なのか
それとも同じ製品は全て色落ちするのかは分かりません
ユニクロの製品で、色落ちするものはほぼ見たことがないため
「色落ちする、『外れ』の製品が存在する」と言うことは、
頭の片隅に置いておくよう心がけてみて下さい
特に、黒や紺と言った、濃色の製品に見られます
Bサイズは世界基準
世界的に見ると、日本人は小柄な民族であるため、
日本人としては平均的な体形であったとしても、
どうしても「体形的に合わない」服があります
ここもユニクロとの違いを感じる部分で
ZARA側が「小さいサイズでも、合わない国がある」と言うことを
理解していないとは思えません
つまり、「一部地域の人の体形には合わない」と言うことを
理解した上で、世界中で販売している訳です
オーバーやコート、ブレザーなど
上着類は特に、必ず試着してから買うようにして下さい
また、信じられない程重たいオーバーやコートも一部ありますが、
これも「一部地域の人にとっては重すぎる」と言うことを
理解した上で、複数のサイズを用意するコストをかけず、
世界で販売しているのでしょう
なお、世界三大アパレルブランドと言えば
ユニクロ・ZARA・GAPですが
GAPの服は、割とタイトな、着る人を選ぶデザインのものや
表示通りに洗うと、ものすごいシワが寄るものなど、
結構クセが強い印象です
ただ、品質が低いと言う訳ではないので
ユニクロもZARAもなんだかしっくり来ない、と言う場合
高価格帯のブランドも含めて、
GAPの服もチェックしてみて下さい