クリーニング豆知識

第百五十八回:「個人輸入の落とし穴」

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」

常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第百五十八回は、「個人輸入した衣類」について



コロナの影響で、気軽に海外旅行が出来なくなった影響から、
海外のサイト等から、色々なモノを直接購入をしている、
と言う方も多いかと思われます

その際、衣類は要注意です


ZARAのような、
様々な国の品質表示が付いているアパレルは大丈夫です


カナダグースやモンクレール等、一部ダウンのアパレル製品にも、
多国籍の品質表示が元々付いているため、問題ありません


ただし、それ以外の大半のアパレル製品には、
「購入元の国の品質表示」が付いているのみです

そして、そのような衣類は、
クリーニング店で受付を断られる可能性があります

また、地理的に近いと言う関係からか、
仕事で日本に来ている方が多いのか、
中国語・韓国語の品質表示の付いた衣類が、
非常に多く見受けられます



「クリーニング日記」の方でも以前書きましたが、
この「受付をする・しない」と言う決定権は、
クリーニング店側にあります


例え消費者側が、
色落ちや縮みの恐れがあったとしても洗って欲しい、
と言ったとしても、クリーニング店側は断る事が出来ます


色落ちが発生した場合、他の衣類にその色が移る可能性や
縮みや、裂け・破れが発生した場合、
「ここまでになるとは思わなかった」と
言われるかもしれないリスク等を考えると、
受付しない方が無難、とクリーニング店側は考えるでしょう


コロナの影響は、
少なくとも今後数年は続くと言われています

気軽に海外旅行に行けた時代は、
当分先まで戻って来ないかもしれません
そのため、今後も個人輸入は広がり続けると思われます

海外のサイト等から直接衣類を購入する際
「この服を買っても、
クリーニングには出せないかもしれない」
と考えるようにしてみて下さい


@海外の表示しかない場合
A表示がない場合
B表示は付いているが、全て×が付いている場合


そのいずれも、
クリーニング店で受付を断られる可能性があります
その際、困るのは自分です


衣類に関しては、
基本的に国内で購入する事を、強くオススメします