クリーニング豆知識

第十六回:ズボンから出る黄色い水

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第十六回目は、「汗は衣類の天敵」という第十四回目のお話の補足


百聞は一見にしかずと言うので、まずはこの画像を



ズボンの汗取りクリーニングで、水洗いのできないズボンを、
無色透明の洗浄液に漬け込んでいる所です
この後、ズボンを取り出すと・・・





ズボンを漬け込んだ事により、これだけ色が変化します
やや暗い黄色、といった所でしょうか


これが極端な事例ではない
という点が恐ろしい所です

ズボンの汗取りクリーニングを行うと、
多かれ少なかれ、洗浄液が黄色く変化します


この黄色の原因はもちろんで、
つまりはそれだけ汗が蓄積していたという事になります
そして、蓄積した汗を放っておくと、脱色や変色の原因となります

スーツのズボンなど、黒い衣類はブラウスなどと違い、
汗ジミとして出てきても、分かりづらい事があります


汗が蓄積しているかどうかの判断はズバリ、
触ってみてゴワゴワしているかどうか
です

うっすらとでも、
汗の塩分が白っぽく浮き出ているようであれば、確実です

特に、
「ポケット・ひざ裏・腰回り」の三か所が、
汗が蓄積しやすい場所であるため、
「もしかして、汗が蓄積していないかな?」と感じた場合、
まずはこの三か所を確認してみて下さい


品質表示で、水洗い(水のたまったおけのような絵)
の部分に×がついていなければ、基本的にその衣類は水洗いが可能です
(品質表示に関して、更に詳しく知りたい場合は こちら を参照して下さい)

そのような衣類は、水洗いしてしまえば問題はないのですが、
水洗いの所に×がついている(=水洗いできない)衣類は特に注意です


三回連続で汗の話になりましたが、汗はそれだけ厄介な代物です

◎水洗い可能な衣類に汗が付いたら、すぐに水洗い
◎水洗い不可能な衣類には、なるべく汗を付けないようにする

衣類を長持ちさせるためにも、この2点にご注意を