クリーニング豆知識

第三回:なぜ割れる? ワイシャツボタンの謎

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第三回目は、ワイシャツのボタンにまつわるお話


当社では、毎月たくさんの枚数のワイシャツをお受けしています
他社でも、チラシに
「ワイシャツ○○円!」と大きく書いている所も多く、
クリーニング業において、ワイシャツは主力と言っていい存在でしょう

そのワイシャツには、
前・袖と1枚につき10〜15個程度のボタンが付いています

そのボタン、割れたり、欠けたりしていないでしょうか
それも、決まって同じワイシャツの同じボタンが割れ・欠けている、
・・・と言う経験はありませんか?


実はワイシャツのボタンには、
割れ・欠けやすいモノがあります


具体的には、

◎反り返ったデザインのもの(横から見ると「 ( 」のような形のもの)
◎貝で出来ているもの
(裏を見て、貝特有の
まだら模様であれば大抵はそうです)
◎極端に大きいもの

などです。ただしこれらは大まかな分類であり、
上記のものでも丈夫なボタンもあります


服を作る側のアパレルメーカーの競争は激化しており、
他社との差別化をはかるため、生地やデザインはもとよりボタンも、
「他にはない」形のものを使ったワイシャツが増えています

しかし、クリーニング店でプレスする際、
標準的なデザインのボタンのワイシャツも、
変わったデザインのボタンのワイシャツも、
同じプレス機でプレスされます

結果、「プレスに耐えられない」
ボタンが割れ・欠けてしまいます



プレス機を製造している、
クリーニング機械の会社の方も努力はされているようですが、
次々と新しいボタンが出てくるため、完璧な対応は難しいようです

中には非常に脆く、
「クリーニング店でプレスする事を想定していない」
・・・と思えるようなボタンもあります

当社では、割れ・欠けたボタンは無料で、
新しいボタンに付け替えていますが

ボタンのデザインも含めて
『そのワイシャツ』である事から、
プレスによる割れ・欠けは無いに越した事はありません
(ボタンは、当社指定の耐熱・耐圧の、乳白色のボタンになります)


そこで、今まで何千とワイシャツを受け付けてきた
クリーニング店の人から見た、「丈夫なボタンのワイシャツ」は

ズバリ、ユニクロのワイシャツ全般です

ユニクロは、ワイシャツ自身の耐久性という意味でも非常に優秀です

お客様の中には、毎日ワイシャツを着替えて、
月〜金で合計5枚、土曜の朝にその5枚をクリーニングに出して、
その日の夜もしくは翌日の日曜に取りにくる、という方がたくさんいますが

その中でもユニクロのワイシャツは、
縮みなどがあまりなく、とても丈夫です

ただ、服はデザインなどの好みがあるので、
ユニクロのワイシャツだけを買う、
という事も難しいかと思います

その場合、ワイシャツを購入する際には、
「ボタンの形状もよく確かめる」事を強くオススメします
先述の
「割れ・欠けやすいボタン」かどうかチェックしてみてください


ワイシャツのボタン付け替えの他にも、
エリ・ソデのシミヌキを徹底し

今では珍しい
天然糊(コーンスターチ)を使用するなど、
当社もワイシャツにはこだわっています
(更に詳しくはこちら)をご覧下さい