クリーニング豆知識

第二回:合成皮革(ポリウレタンコーティング)の劣化


「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第二回目は、合成皮革には寿命がある、というお話


本物の皮に近い風合いで、
手ごろな値段のため急速に広まった
合成皮革

その中でも、
「ポリウレタンコーティング」と呼ばれるものは、
名前の通り、表面に
ポリウレタンがコーティングしてあるものです

あまり知られていないようですが、
このポリウレタンコーティング、
実は寿命があります

その寿命は、
短いもので2〜3年。平均では3〜5年程度と言われています

(購入後10年経っても、
まだまだキレイな合成皮革の品物を目にする事もあるため、
3〜5年程度で必ず寿命を迎える、という事ではありません)


寿命を迎えるとどうなるかと言うと、
コーティングが剥がれてボロボロになります

これはポリウレタンが加水分解するためで、
直接水がかかったりするような事がなくても、
空気中に含まれる水分だけで進行するため、
防ぐ事が出来ません

寿命が近いかどうかの目印は、表面にヒビが入っているかどうかで、
お手持ちの合成皮革の品物にヒビが入っていたら要注意です


コーティングの剥離は
クリーニングで進行する場合があるため、
剥離の見られる合成皮革のクリーニングを受け付ける際には、
これらの事をご確認の上、了承が取れた場合のみ、
当社ではクリーニングしています

ポリウレタンコーティングの品物を購入する際には、
これら寿命の事を考慮した上で、
購入するかどうかを決めた方が良いでしょう、
というのがクリーニング屋さんとしての意見です