亀の話

 Tortoise

    私の家では、3匹の猫のほかに亀も飼っています。                               

     『高橋』    本土寺の亀

    名前はありませんが、姓は『高橋』です。

    『大滝の五郎蔵』というのも考えたのですが、これは『鬼平犯科帳』に出てくる密偵の名前で、使わせてもらうには

    作家の池波正太郎さんのお許しが必要だろうし、面倒なことは嫌いなので、この名前はすっかりあきらめました。

    普通、ペットの名前と言うのは犬なら『チビ』や『クロ』、猫なら『タマ』、舶来好みなら『ジョン』とか、ですよね。

    人間には『姓名』というのがあって、ペットに『姓』を付けてはいけないわけがない。

    まぁ、他人は『高橋と言う嫌いな人がいて、ペットにその名前を付けて”呼び捨て”にして楽しんでいるのだろう』というような

    飼主も想像していなかった事を言う人もいるようです。(なるほど、それもいいなぁ。だったら違う『姓』に変えなきゃ!!??)

    でも亀には名前はいらないようですよ。

    いくら呼んでも、『自覚が無い』から。

    この亀は、10年前に近所の盆踊りの露店で400円で家族が買ってきたものです。

    当時は、親指の先程の小さな亀でした。

    金魚のようにすぐ死んでしまうのではないか、と思っていましたが現在も存命中です!!

    『ミドリガメ』と書いて売っていたそうですが、実際は『ミシシッピーアカミミガメ』という南米産の繁殖力のすごい亀だそうで

    甲羅の長さが40cmくらいになるまで成長する、という話を最近のTVで見て『この先どうしよう?』というのが正直なところです。

    今、甲羅の長さは20cm弱くらいで、すごい食欲です。(2000/09/02測定結果→甲長は18.4cmでした。)

    玄関脇の水槽に入れているのですが、宅配便、新聞の集金等で来る人すべてが『大きな亀ですね』といいます。

    いつも腹を空かしているようで、これまた人見知りもせず、人の気配がすると誰彼構わず、水槽の中で立ち上がりエサをねだります。

    昨年、山口県徳山市に出張した際に、『瀬戸内の珍味』なる”小魚のせんべい”を買ってきました。

    もちろん、亀にあげるため、ではなく、酒のつまみにと思ってのことです。

    しかし、作って売っている人には悪いのですが、これがひどくまずかったのです。

    捨てるのもどうかと思い、”そうだ、亀にやろう”と。

    そういう前後の経緯を全く知らない亀は、水槽の上から差し入れられた”小魚のせんべい”によろこんで喰いつきました。

    直径10cmくらいの”小魚のせんべい”を一度に3枚は食べてしまいます。

    


    『亀は脱皮する』ということに気がついたのも最近です。

    水槽と”高橋”を1、2週間に一回、タワシで洗浄します。

    水槽を洗っている時に元気な”高橋”が逃げないように、写真にあるような『逃走防止の腰縄』を付けます。

    甲羅の端にドリルで穴を開けてステンレスのリングを付けています。 → ピアスです。

    そうして水槽の中の小石を洗っている時に、脱皮した甲羅を発見したのです。

    もちろん、マンガじゃないですから『剣道の胴を外すように、甲羅がそっくり脱皮』するわけではありません。

    亀甲模様にあわせて、何枚ものプラスチック状の古い甲羅がはがれ落ちているのです。

    はがれた甲羅には、うすい模様がついていました。

    亀の脱皮が一年に一回なのかどうか、今後は注意深く見ておきたいと思います。(2000/09/02洗浄中に”脱皮中”であることを確認)

    脱皮した甲羅を見ると、『あっ、こいつまた大きくなりやがった』と思うのです。

    亀が脱皮すると言う事を御存じない方が多く、このHPの掲示板にもそのことを書かれた方がいましたので、写真を追加アップしました。

    (2001/06/28)

これが脱皮したあとの”残骸”です。

(ごく一部分です。)

亀甲模様がついています。

甲羅がカメの側面に回り込んでいる部分も、

そっくり剥がれ落ちます。

もう少し厚みがあると、エレキギターを弾く時の

ピック代わりに使えそうです!

 


   

    マンション4Fから投身した?”高橋”

    以前に住んでいたマンションでは、4Fのベランダに水槽を置いていました。

    休日のある日、水槽に”高橋”がいないことに気がついたのです。

    せまいベランダですから、物陰に隠れているのだろうといろいろ探しましたがどこにもいません。

    そのうち、両隣とのベランダの仕切りの下をくぐったのではないかと思いました。

    両隣ならともかく、それ以上遠くに行っているとなると、ほとんど付き合いも無いので聞きに行くこともやめてしまいました。

    不思議なもので、いつもはほったらかしの亀も『いないとわかると寂しい』ものです。

    翌朝、通勤の為マンションの下に降りると中庭の砂場に『亀がいる』。

    近づいて見ると間違いなく”高橋”です。

    あわてて捕まえて、家に戻り家内に手渡しました。

    でも一体どうやって4Fから1Fまで移動したのか、その日は”ベランダから落ちて砂場に隠れていた”としか考えられませんでした。

    しかし、よく考えて見ると『4Fのどなたかがベランダに迷いこんだ亀の処理に困り、中庭の砂場に置いた』というのが正解ではないか、と。

    真実は”高橋”しか知らず、私達には解らないままですが、とにかく”高橋”が戻ってよかった!!

    その後、”高橋”は今の家に引越してきてからも一度行方不明になっています。

    大雨が降った夜に、玄関脇に置いてある水槽の水があふれんばかりになり、”高橋”はそれを乗り越えたのです。

    この時も”高橋の不在”に気づいてすぐ付近を探しましたが、家内の『そんなに遠くに行っているはずがない』とのアドバイスで

    水槽の台の下を懐中電灯(古い表現?)で照らすと、確かにそこに潜んでいました。

    まったく世話を焼かせる”高橋”です。


    亀は意外と力があります。

    ”高橋”の甲羅に逃走防止用のボディピアスの穴を開ける時、私がサンダルを履いたまま足で甲羅の上から押さえつけ電気ドリルで

    穴を開けたのですが、その時”高橋”は『腕立てふせの要領で下から押し返して来た』のです。

    その力には驚きました。

    甲羅の長さが上限の40cmに達する頃には、私は最寄駅までの自転車通勤をやめ、”高橋”の背中に乗って通勤することが夢です。

 

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