第七十九回:「思い込み」
「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」
常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています
第七十九回は、「売る側の思い込み」について
当社では、数年前から月替わりでチラシを作成・配布しており、
『情報を発信し続ける』という取り組みを行っています
これは何故かと言うと、このホームページでいくら情報を発信しようとも、
インターネットをあまり利用しないようなお客様には、
その情報が届かないからです
逆に情報の発信をチラシのみ、としてしまうと、
主にインターネットで情報を収集するお客様には、
情報が届きません
情報を発信する媒体が多ければ多いほど良い、
と言う訳ではありませんが
ネットのみ、チラシのみ、という単一の媒体に頼る事は
危険であると考えています
月替わりのチラシは、毎月完全新作と言う訳ではなく、
Yシャツ回数券やズボンの汗取り、ダウン洗いと言った
「季節に合わせた定番」を基本としつつ
数か月に一度、新しいデザインをなるべく入れるようにしています
そして最近、
「Yシャツのボタンが取れていた場合、無料で付け替えます」
という内容のチラシを作成しました
Yシャツのボタン付け自体はもうずっと前から行ってきた事であり、
こちらのホームページの、YシャツのPRページでも全面に打ち出しているため、
当社をご利用のお客様、並びに周辺にお住まいの方には、
それなりに知られているだろう、と考えていました・・・が
チラシを作成・配布した翌月、
それまで横ばい〜微増であったYシャツ点数がいきなり増えました
Yシャツは点数がとにかく多いため、前年比数%アップでも
、かなりの増加と言えます
その次の月もほぼ同じ水準を維持したため、
何らかの要因による偶然ではない、と結論付けました
つまり、チラシで「Yシャツのボタン付け替えます」を見て、
当社にYシャツをお持ちになったお客様がそれだけたくさんいた、
という事になります
この件から、
改めて「思い込みはいけない」と考えさせられました
もうずっと前からYシャツのボタン付け替えは行っていて、
ホームページでも積極的にPRしている。だから伝わっている
・・・しかしそれは、「売る側」の勝手な思い込みでした
取れたYシャツのボタンに困っている方は、
当社の周辺にたくさんいた
そのような方達が、当社のチラシを見て来店された
つまり、「チラシをまき続けておきながら、
周辺地域にすら、大して知られていなかった」という事です
改めて、
「思い込みを捨て、色々な事を試してみる」
ということの大事さを噛みしめた出来事でした