クリーニング豆知識

第六十九回:ギリギリなネーミング

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第六十九回は、相次ぐ食品表示の偽装から考えた事について



2013年10月頃から始まった、
「レストランの食品表示の偽装」が止まりません


発端となった阪急ホテルの件以降、
毎日のように謝罪会見が開かれていますが、
そもそも阪急ホテルの件が明るみに出なかったとしたら

これらのホテルやレストラン、
料亭は果たして偽装を自ら調査したのでしょうか


ただ、ホテルや料亭を利用する事がない人には、
この件は関係がない・・・かと思いきや、
一部の食品メーカーの方達は、
この動きを注視しているのではないでしょうか

というのも、レストランに行くまでもなく、
スーパーに行って様々な商品の「名前」を見るだけで

「このネーミングは、少し変じゃないか?」
と思えるものはたくさんあるからです


以前から感じていましたが、

「名の知れた大手メーカーであっても、それが法律違反でないのならば、
一見して分かるような、おかしな名前を商品に付ける」
という事は確かにある、と思います

例えば、
「シェフ特製」・「ホテル仕様」・
「レストラン仕様」・「手作り風」・「居酒屋仕立て」
など、
いちいち上げているときりがありません


中には、実際に製造方法にこだわっており、
パッケージ裏面でそのこだわりについて、
かなり詳細に説明している商品も
あるにはあるのですが、一部でしかありません

このような、
「消費者に誤解を与えかねない名称」に関して、
例えば消費者庁がより厳しい基準を設定した場合、
名称の変更を与義なくされる商品はたくさんあるでしょう

その対応にはコストがかかり、
つまりメーカー側としてはそんな事をしたくないのです


今回の件はレストランのメニューと
原料に関する誤表示・偽装であり

それがすぐにスーパーで販売されているような、
一般的な商品に影響があるとは思いませんが

「このおかしな名称を、
いつまでこのメーカーは使い続けるつもりなのだろう?」

と思えるような商品は、スーパーに行けば沢山目にします


恐らく、どこかのメーカーが、
「ちょっとやりすぎた名前」を付けて

消費者庁が、より名称に関する厳しいルールの
設定に動く日がいつか来るのでは、といつも思います