クリーニング豆知識

第六十四回:汗の蓄積の見分け方

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第六十四回は、「汗が蓄積していますよ、というサイン」について


今年も夏がやって来ました
気象庁から、今年(2013年)の夏は気温が
高めで推移するという発表があり、猛暑が予想されます

毎年のようにこのコラムで取り上げていますが、

汗は衣類の天敵です


無色透明であるため、汗が蓄積しているかどうか
見た目では判別しづらく、後になって脱色・変色して
出てきて初めて分かる、という実に厄介な代物です


では、汗が衣類に蓄積しているかを
どうやって判別すれば良いのか?というと、

汗が蓄積しやすい箇所を実際に触って確かめてみる
というやり方が、最も分かりやすいかと思います

上着やシャツであれば、
えり・そで・わき・背中
ズボンやスカートであれば、
腰回り・ポケット・膝裏あたりが、
「汗が蓄積しやすい箇所」
になります


汗が蓄積しているかどうかを判別するには、それらの箇所を触ってみて、
「ベタベタしている」もしくは「ゴワゴワしている」場合

その感触が素材の特性である場合を除き、
汗がかなり蓄積しているかもしれません

もし、筋状や円状に白っぽく塩分が
噴き出しているような場合には、ほぼ確実です


当社では、受付の際にそのような
汗が蓄積していると思われるサイン」を見つけた場合には

ドライクリーニングのみのズボンの場合には、
汗取りクリーニングをお勧めして、
水洗い可能なズボンの場合には、水洗いを行っています

ただし、ブレザーの場合、
汗取り加工を行うと極端にしわが寄る場合もあり、
こちらからお勧めする事はほぼありません


汗は、誰でも、一年中、衣類に蓄積していく可能性があります
そして、放っておくと脱色・変色を引き起こして衣類をダメにしてしまう、
非常に怖い存在でもあります


夏場に着用する衣類は、

@水洗い可能なものを着用する
A汗をかいた、と思ったらすぐに洗う


という事を徹底すると、長持ちします

ただし、黒や紺といった濃色の衣類は、
繰り返し水洗いをするとすぐに色が薄くなってしまうため

「夏場に黒や紺の服を着る」という事は、
すぐに色が薄くなってきてしまうリスクがある、
という事が言えます