クリーニング豆知識

第五十五回:ポスティングA

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第五十五回は、前回に引き続きポスティングについて


前回は、
「なぜポスティングを行うのか」についてお話しました
今回は、
「クリーニング業界におけるポスティング」というお話です


結論から言うと、

「あまり積極的には行われていない」
という事になります

他社が新たなクリーニング店舗を出店する際には、
その旨のポスティングチラシを見かけますが、
それ以外の時には、ほとんど目にする事はありません

当社の所在する新丸子駅周辺地域は、
歩いて5分以内に何軒ものクリーニング店がひしめく激戦区ですが、
継続的にポスティングを行っている業者は、当社を除くとほとんど無いようです
ただ、新聞の折込チラシは頻繁に見かけます


つまり、クリーニング業界において

「ポスティングによる自店のPR」
は、
まだまだマイナーなやり方であると言えます


しかし、当社が継続的に行っているからと言って、
「クリーニング業界は、
もっと積極的にポスティングを活用すべき」
とは考えていません

資金力のある大手のクリーニング会社は、
「新聞の折込チラシを頻繁に入れて、
地域における知名度を徹底的に上げる」

という方法が可能であり、このやり方は非常に有効です


人は誰でも、
「経験した事がないこと」は怖いと感じます

『大事にしている服だけど、
クリーニング店に持って行って大丈夫だろうか』


そう考えた時、頭に浮かぶのは多くの場合、
「知名度が高い会社」=
「多くの人が利用している会社」
ではないでしょうか


「年齢や好みを問わず、とにかくたくさんのお客様を集めたい」
と考えた場合、確かに「大量のチラシを、何度もまく」方法が有効です

しかし、このやり方は
「大量に品物を集めなければ、採算が取れない大手」の場合です

当社は事業規模が小さく、
「大量に品物を集めても、処理が追いつかないという、
大手との決定的な違いがあります

ターゲットとしている層がそもそも違うため、当然PRの方法も異なるので、


ポスティング=新しいやり方、正しいやり方
新聞折込 =古いやり方、間違ったやり方


という事ではありません


ただ、当社のように規模の小さい、特に個人事業者は、
「今日決めて、すぐに取り掛かれる」というフットワークの軽さこそが武器なので、
『ポスティングという方法を、試してみる事すらしていない』というのは、
とても大きな損をしていると思います

現在、ポスティングを積極的に行っている業者は少ないようですが、
効果の大きさに気づいた人の間で少しずつ広まり

5年後、10年後には、ピザやお寿司と同様、
普通になっているかもしれません