クリーニング豆知識

第四十五回:毛皮付きセーターにご注意

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第四十五回は、前回同様、注意が必要な衣類について


毛皮付きセーター

前回
ニットシャツと同様に、注意が必要な衣類の一つです

何故かと言うと、大抵の場合、
クリーニング表示が「全て×」となっていて
「クリーニングは専門店にご相談ください」
といった表記があるからです

そして、当社にそういった製品をお持ちになったお客様は、
大抵の場合、その毛皮付きのセーターが、
「通常のクリーニングでは洗えない製品である」という事を知りません
当社に品物を持ち込み、その場で指摘されて、初めて気付く訳です


毛皮や皮革は、衣類の中でも特殊な存在で、
基本的にドライクリーニングでも水洗いでも洗えません
毛皮・皮革専用の機械や、洗剤が必要になります

当社でも、毛皮・皮革製品は基本的に
外注しています
ただ、納期が一ヶ月程度かかる事と、
価格が比較的高め、という事もあり

汚れたからすぐクリーニングに出してまた着る、
という事が中々難しい衣類です

毛皮部分が取り外し可能な製品は、
その部分を取り外して洗えば、
大抵の場合は問題ありません

ダウン製品に、このタイプは多く見られます

毛皮製品を買う際は、洗濯表示と、
毛皮部分が取り外し可能か、
という事を良く確認してからの方が良いでしょう


基本的に、このような特殊な製品だからといって、
大きく
「この製品は、通常のクリーニングでは洗えません」
というタグが付いている訳ではありません

品質表示が正確なものであれば、法律的に問題はないため、
このような
「通常のクリーニングでは洗えない製品である事」は、
洗濯表示をきちんと見て確認しないと分からないのが実情であり、

法律が改正されでもしない限り、
この状況に中々変化は生まれないと思われます

そのため、このような衣類に関しては、
自衛するしか手がないのが実情です