クリーニング豆知識

第四十回:Maker's Shirt 鎌倉

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

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第四十回は、最近躍進しているシャツメーカーについて


Maker's Shirt 鎌倉



ここ数年、当社で受付するワイシャツの中でも、
目に見えて取り扱い枚数が増えてきたメーカーです

会社自体は1933年設立と歴史は浅いものの、
「驚くほど上質なシャツを、4900円で販売する」
をポリシーに、次々と販売店を出店しています


この4900円という価格帯が、
「ユニクロのような安価で大量生産のシャツは着たくないけれど、
1着1万円以上するようなシャツには手が届かない
」、
と考えていた層から支持を受けた形になりますが、
売れている理由はそれだけではありません

ユニクロと同様、「この値段で、これだけの品質のものを」という目標を掲げ、
それを達成しているからこそ支持を得ているというのが、
実際にシャツに触れてみての感想です


肝心のワイシャツ自体の出来はというと、
「変わった所のない、
非常にオーソドックスなワイシャツ」
という印象です

全体のデザインは非常にシンプルで、
それ故に何度洗っても型崩れや縮みが発生しにくく、
使われているボタンも糸も丈夫です
4900円でこの出来ならば、十分と言えるのではないかと思います


公式ホームページで、シャツ作りにおいてこだわっている点や、
洗濯方法および日常のお手入れの注意点などを掲載しています
製造メーカーのホームページではあまり触れない部分まで、
細かく情報を出している所に、作り手側の熱意を感じます

これも
「安心して買ってもらう」
という販売促進の一環ではあると思いますが

同じような事をやっているメーカーが他にあまりないため、
「うちのワイシャツは、こう扱ってもらえば大丈夫ですよ」
と保障するという、中々上手い戦略だと思います

これだけの品質のシャツを5000円程度で販売する、
という点において他メーカーが追いついて来るまで、
今後もMaker's Shirt鎌倉の躍進は続きそうです