クリーニング豆知識

第三十九回:色付き糸と取れやすいボタン

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

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第三十九回は、ワイシャツの糸とボタンについて


当社では毎日多くのワイシャツの洗い・仕上げを行っていますが、
その中に、ごくまれにではありますが、ボタンが付けてある部分に、
「糸と同じ色が滲んでいるような」
状態になっているものがあります

これは、ボタンを留めるために使用されている糸が、
「高温でプレスすると色が出る」
ようなものである事が、原因と考えられます


このようなワイシャツは、
「クリーニング店でプレスされる」という事を、
全く想定していないのか、といつも疑問に思います

プレス機といっても、何分もプレスしている訳ではなく、
長くても数十秒程度です

それだけの時間プレスしただけで色が出るとなると、
クリーニング店としては対処のしようがありません

ワイシャツを購入する際、デザインだけでなく、
「ボタンを留めている糸」にも
注目するようにすると良いでしょう


また、ワイシャツのボタンにも

「取れやすいボタン」
「取れにくいボタン」があります

取れやすいものは、薄い・小さい・平べったいもの
大抵のワイシャツに付いているのは、
このような取れやすいボタンです
デザイン性を重視したシャツには特に多く見られます

逆に取れにくいものは、円柱のような厚みのある形状で、大きいもの
ユニクロの一部のワイシャツや、
「THE SUIT COMPANY」の一部のものが当たります


また、ワイシャツを脱ぐ際にも、ボタンへの負担を減らすため、
全てのボタンを外してから脱ぐと良いでしょう

ボタンを付けたままワイシャツを脱ぐと、
腕が引っかかったりした場合、留めてある糸に負担がかかります

面倒なので前も袖もボタンを留めたまま、という脱ぎ方は、
脱ぐ際に強く引っ張られる形になり、
ボタンだけでなく、ワイシャツ自体の寿命を縮める恐れがあります
ご注意下さい