クリーニング豆知識

第二百十九回:「おかしい表示」

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」

常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、
このコラムでは、クリーニング業者から見た
衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第二百十九回は、「明らかにおかしい品質表示」について


以前から繰り返し、こちらのコラムでも
「品質表示通りに洗うと、色落ち・縮みが発生する」
と言う衣類を取り上げて来ました

ただ、今まで様々な品質表示を見て来ましたが
洗い方の表示が付いているのはまだ良い方で


「明らかにおかしい品質表示」
・・・と言うものが、世の中にはたくさんあります

以前にも同様のテーマを取り上げたことがありますが
今回はその続編です


@日本語がおかしい

Amazonの商品紹介ページにあるような
「翻訳ソフトを使って直訳しただけで、
明らかに日本語がおかしい」
と言う表示があります

例えば、綿の入ったオーバーやダウンウェアなど
衣類の中に綿や羽毛が入っている場合
品質表示には
「中綿」「充填物」と言う表記があります

これが
「中に入っている」や単に「充填」など
日本語として通じない表記を見かけます


メルカリで購入したり、海外に旅行した際
現地で購入した服に、このような表示が付いている場合
家庭で洗う場合は、自力で解読するしかありません

基本的に、
「羽毛」と言う表記がどこかにあれば
衣類の表面に羽毛を使うことはほとんどないため
「中に入っているのは羽毛(ダウン)」と言うことになります


一方、中綿がポリエステルの場合は厄介です
ポリエステルは表面や裏地に使用することもあるため

中綿がポリエステルなのか、もしくは
表面や裏地がポリエステルで、中綿は別の素材

・・・と言うパターンもあります


大抵の場合、中綿がダウンの場合は
中綿を閉じ込めている
「小部屋」が大きめです

一方、中綿がポリエステルの場合
小部屋は小さめで、
菱型の小部屋であれば
ほぼポリエステル、と見て間違いありません



A品質表示の絵文字がおかしい

洗い方の表示は
「JIS表示」と呼ばれるもので
国際的に統一された規格のものです

ただし、全ての国で使われている訳ではないため
非常に独特な絵文字が付いていることがあります


基本的には
水の入ったおけ ⇒ 水洗い
機械や丸の中に「P」もしくは「F」 ⇒ ドライクリーニング


・・・と見て間違いありませんが
たまに、そのどちらでもない(ように見える)表示があります


この表示が、製造された国独自のものなのか
もしくは間違っているのか、簡単には判別出来ません

ただし、今は検索エンジンで画像検索が出来るため
スマホのカメラで写して
「これは何?」
検索してみるのも一つの手です



B読めない多言語表示

ZARAなど、世界的なアパレルブランドは
いちいち特定の国の表示を付けなくても
製造後、そのまま世界中に出荷出来るよう
「多言語の表示」が付いています

この多言語表示の中には
消費者のことをほとんど考えていない、と思うほど
非常に見づらい・読みづらい表示があります



コスト削減のためか、面積の小さい品質表示に
豆粒のような小さな文字で
書いてある場合が多々あります
視力の良い人でないとほぼ読めません


もし読むことが出来たとしても
洗い方・表面の素材・充填物の素材などが
バラバラに書いてあり、統一感がありません


この表示を、あまり品質表示を読むことに慣れていない人に
「読んで理解して下さい」と言うのは大分ムリがあります



このように、表示通りに洗ったら色落ち・縮みが発生した
・・・と言う以前に

「そもそも読めない・分からない品質表示」
世の中にたくさんあります


もし購入した衣類にそのような品質表示が付いている場合
クリーニング店にお持ちになり、
受付で相談してみると良いかもしれません・・・が
受付の人も分からない可能性はあります

そして、そのような読めない・間違っている表示の衣類は
クリーニング店で断られる可能性があります



もし、その服がすごく気に入っていて
縮みや色落ちが発生しては絶対に困る、と言う場合

「とりあえず保留にしておいて、自分で調べて
色んな人の意見も聞く」が無難です


間違った洗い方をすると
一度のクリーニングで服がダメになることはあります

それだけのリスクを負ってでも、
自分はこの服を洗いたいか?と言うことを
一度考えてみて下さい