第二百二十回:「白・黄・茶」
「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」
常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、
このコラムでは、クリーニング業者から見た
衣類に関する様々な豆知識を公開しています
第二百二十回は、「変色」について
夏になると目に見えて増えるのが
広範囲にわたる「白・黄・茶」のシミです
そしてこのシミ、とても注意が必要です
もしこれら「白・黄・茶」のシミを発見した場合
家庭で洗える衣類であればすぐにでも洗い
家庭で洗えない場合、あるいは洗っても取れない時は
早めにクリーニング店に相談した方が良いでしょう
今回は、この「白・黄・茶」のシミについて
それぞれ詳しく説明します
◎白
広範囲に浮き出た白いシミ
これは、「汗の塩分」によるものです
わきの内側に付いていると、ほぼ確実です
汗には塩分が含まれています
その塩分が、乾いて浮き出て来た状態です
この状態は、シミヌキ
もしくは洗うことで、結構落とすことが出来ます
ただし、時間が経過すると
塩分が脱色・変色を引き起こすため
「危ない予兆」であると言えます
◎黄
広範囲に浮き出た黄色のシミ
これは「皮脂が変色した」状態です
大抵の場合、エリやワキ、ソデの先に発生します
皮脂は基本的に無色透明であり
付いた時点では分かりません
その後、時間が経過することで変色して
黄色になります
この状態は、結構厄介です
洗ってキレイになる、と言うことはあまりなく
大抵は少し薄くなった、程度です
そのため、強めのシミヌキが必要になりますが
シルクなど、強いシミヌキに耐えられない素材もあるため
「シミヌキする方法はあるけど、この服には出来ない」
・・・と言うことが多々あります
ただし、強いシミヌキに耐えられる
Tシャツやワイシャツ、ブラウスの場合は
シミヌキを行うことで、キレイに落ちることもあります
こちらの場合も、家庭で洗える衣類の場合は
すぐにでも洗ってみて下さい
ただし、シルク・アセテート・レーヨンなどは
一度の水洗いでダメになってしまう場合があります
シミが出て来たので、慌てて洗濯機で洗う・・・前に
まず「水洗い可能かどうか」を確認して下さい
ほとんど変わらない
もしくは全く変わらないと言う場合は
クリーニング店に相談した方が無難です
自分でハイター系の漂白剤を使用する方がいますが
漂白はかなり強いシミヌキであるため
一発で衣類をダメにしてしまう可能性があります
ご注意下さい
◎茶
茶色のシミ
これは「汗が変色した状態」であり
黄色と同様、かなり厄介です
白く浮き出てきた状態から
時間が経過すると、茶色になることがあります
もしくは、白を経過せず
いきなり茶色のシミが浮き出てくる場合もあります
変色しているのは服ではなく
あくまで汗の成分であるため
すぐに洗ってかなり落ちる場合もあります・・・が
ほぼ落ちずに残る場合もあります
黄色のシミと同様
強めのシミヌキを行うことで落ちることもありますが
強めのシミヌキが出来ない服の場合は
落とすことが難しい、厄介なシミです
汗・皮脂は、服に付いた時点では無色透明のため
大抵は軽視しがちです
ただし、付いてから時間が経過すると
服をダメにしてしまう変色となって
広範囲に浮き出て来ることがあるため
自分の体から出て来るものなのに
非常に恐ろしいものである、と言えます
汗や皮脂を蓄積させないコツとしては
とにかく頻繁に洗うことです
ちょっと汗かいたかな、と思ったら
一回着ただけの服であっても、洗った方が無難です