第二百十七回:「『品質表示なし』を読み解く」
「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」
常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、
このコラムでは、クリーニング業者から見た
衣類に関する様々な豆知識を公開しています
第二百十七回は、「表示がない場合の対処法」について
前回、「海外の表示しかない場合の対処法」を解説しました
ただ、海外の表示でもあれば良いほうで
「メルカリで服を買って届いたら
品質表示が切り取られていた」
・・・と言うケースは、今後増えることはあっても
減ることはないと思います
そこで今回は
「そもそも品質表示がない場合、どうすれば良いのか」
について簡単に説明します
@分類する
まず、「洗い方」でおおまかに
4つのグループに分類します
@ドライクリーニング
⇒オーバー・コート・スーツは大抵の場合
ドライクリーニングのみです
夏物は特に、「水洗い可能なスーツ」が
増えて来ているのは確かですが
品質表示がない以上、基本的には
ドライクリーニングのみと考えた方が無難です
A水洗い
⇒シャツ・ブラウス類は、基本的に水洗い可能です
ただし、ブラウスはシルクを含むものがあり
シルクは水洗い出来ないため
表面に光沢がある場合は、@と考えた方が無難です
Bドライクリーニング・水洗い両方可能
⇒セーターやジャンパー類は多くの場合
水洗い・ドライクリーニングの両方が可能です
ただし、こちらもセーターはカシミアやシルク
ジャンパーはウール(毛)を含むと思われる場合は
ドライクリーニングのみ、と考えた方が良いでしょう
C洗わない方が無難
⇒皮革製品や、破れ・ほつれのある衣類
大きめのプラスチック部品などが含まれている場合
洗うことによって破損する可能性があるため
洗わない方が無難です
A衣類ごとに対処法を考える
上記@『ドライクリーニングのみ』の衣類は
基本的に家庭で洗うことは出来ません
そのため、クリーニング店での受け付けを断られると
「洗う方法がない」と言うことになります
何件かクリーニング店を回って
受け付けしてもらえる所を探すか
もしくは「洗うことを諦める」のも一つの選択肢です
上記Aの「水洗い可」のと判断した衣類は
同じ『水洗い』でも、「家庭での洗濯可」と
「クリーニング店での水洗い可」の二種類があり
後者の衣類は、水洗いを行った後に
クリーニング店でのプレスを行わないと
洗う前の状態に戻すことは難しい場合があります
上記Bの水洗い・ドライクリーニングの
両方可能と判断した衣類は
ドライクリーニング:油汚れをよく落とす
水洗い:汗・ホコリ・食べ物のシミや汚れをよく落とす
・・・と言う、ドライクリーニング・水洗いの
どちらの汚れを落としたいか、で判断します
上記Cの洗わない方が無難と判断した衣類は
自分で洗ったり、クリーニングに出すと
一度洗っただけで使えなくなる可能性があります
「洗わないと着れない」と言う状態でもない限り
クリーニングは避けた方が無難です
B「水洗い可」の衣類は家庭で洗う
衣類の中には、「水洗い可」となっていても
洗うと全体にシワが寄ったり
ズボンは特に線が消えることが多々あるため
クリーニング店での設備を用いてプレスをしないと
元の状態に戻すことは難しい場合があります
ただし、「プレスのみ」を
受け付けているクリーニング店が周囲にある場合は
「家で洗って、プレスだけはクリーニング店でやってもらう」
・・・と言うことも可能です
同じ綿のニットセーターでも
水洗いをすると全体にシワが寄る場合と
ほとんどシワが発生しない場合があります
そのため、家庭で洗濯したい場合は
「水洗い可能と判断したら、リスクを覚悟の上で
まずは洗ってみて確認する」しかありません
いざとなったら自分で何とかする
・・・と言う場合のためにも
メルカリなどオークションサイトや
海外のサイトで服を頻繁に買う場合は
『スチームアイロンとアイロン台』
を用意しておくことをオススメします
アイロンのかけ方については
「アイロン かけ方」などで検索すると
様々な動画や解説サイトが出てきます
自分や家族の着る服だけ何とかしたいなら
プロになる必要はありません
独学で十分、何とかなります
今まで
『メルカリで買った』
『古着屋で買った』
『海外に旅行に行った際に現地で買った』
『海外の通販サイトから取り寄せた』
・・・と言う衣類に関するご相談を
文字通り山ほどお受けしていますが
「品質表示がないことのリスク」を
実際にそのような衣類を手にするまで
ほとんどの方が知りません
「購入した服に、表示が付いていない場合の対処法」を
頭の片隅にでも置いておくと
いざ自分がそのような状況に置かれた際
落ち着いて対応が出来ます