第百九十八回:「破れ・ほつれ」
「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」
常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています
第百九十八回は、「破れ・ほつれ」について
当社では、シミ抜きや仕上げの行程で
破れ・ほつれを発見した場合、
「破れ・ほつれタグ」を付けてお返ししています
お返しする際にも、「この部分がほつれて来ていますよ」
とお伝えすることも多くあります・・・が
特に男性が、多くの場合
『やぶれ・ほつれに全く気づいていない』と言うことが
以前からずっと、気になっていました
まず多いのは、「ワイシャツのエリ・カフス」です
エリ・カフス部分が擦り切れて、ボロボロになっています
特にエリ部分は、広げて見ないと中々気づかないため、
折り目の部分が薄くなり、破れてしまっているワイシャツを
毎日のようにお受けしています
着ている本人は気づかないものの、
後ろから見ると、この「エリの破れ・ほつれ」は
かなり目立つ場合があります
次に多いのが「ズボンの腰の後ろの縫い目」です
座る時に力が加わるため、徐々に広がって来ます
また、後ろポケットに財布やスマホを入れている場合、
合わせてポケット口が破れて来ます
腰の後ろ部分を、自分で確認することはほとんどないため、
破れ・ほつれに多くの方が気づいていません
しかし、後ろから見ると非常に目立ちます
本人からすると、「ああ、破れちゃったか」程度かもしれません
しかし、その破れ・ほつれを見た人はどう思うでしょう
世の中には、破れている服を着ている人を見て、
「破れ・ほつれのある服を、平気で着ている人」と
捉える人は必ずいます
本人がその破れ・ほつれに気づいていなくても、
「傷んだ服を平気で着ている人」と見られてしまいます
毎日着ているスーツ上下や、冬物のコート・オーバーの、
「破れ・ほつれの発生しやすい場所」を
定期的にチェックしてみて下さい
破れ・ほつれを発見した場合、
修理してまだ使いたいと思うのか
もしくは、寿命と判断して、良い機会なので
処分して新しい服を買うのか
季節の変わり目や、月末、月初めなど
「服をチェックする習慣」を、是非身に着けてみて下さい