クリーニング豆知識

第百八十九回:「ユニクロの服は何年保つか?」

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」

常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第百八十九回は、「服の耐久性」について



毎シーズン着たとして、
ユニクロの服は何年保つのか?


改めて考えてみると、詳しくは知らない
古くなったらなんとなく捨てて、新しく買ってるかな・・・
と言う方がほとんどではないでしょうか


世の中には、着る服にはこだわって、
とてもお金をかける人がいる一方

「服そのものには、あまりお金をかけないが、
その服を清潔に保つためには、きちんとお金をかける」
・・・と言う方がたくさんいます


と言うのも、家で洗えて、しかもノーアイロンで良い服を、
毎週たくさんお受けしているからです


その中には、ユニクロのワイシャツやブラウス、
更にはセーターやTシャツも多く含まれます



そして、ユニクロの服を、シャツ・ブラウス類は頻繁に
セーターやコート類は、シーズン毎にクリーニングに出したとして、
果たして何年保つのか?と言うと・・・

シャツ・ブラウス類は2〜3年
セーターやコート・オーバー類は3〜5年
ダウン類は、大事に使えば5年以上保ちます


格を考えると、この耐久性は驚異的です


ユニクロのない国の人が日本に来ると、ユニクロで大量に服を買う
「ユニクロのために日本に来た人のツアー」のような訪日客を、
テレビで見た事がありますが、品質を考えると納得です

以前に、海外の王族の方が来日された際、
ユニクロでヒートテックを買った、
と言う事が話題になっていましたが

ユニクロと同じ価格帯で、同じ品質のブランドは、
世界的に見ても非常に珍しい・・・といつも思います


そのため、クリーニング業に従事する者の一人として、
「ユニクロ=ダサい」と思い、一度お店にも言った事がない人は、
結構損をしているのでは、といつも感じます

実際に商品を見て、気に入らないのであれば仕方ないと思います
ただ、一度もユニクロの服をじっくり見た事がない、と言う方は
是非一度店舗に行って、売れ筋の服だけでもチェックしてみて下さい


最近のファッション雑誌では、
「全身ユニクロの服の着こなし」と言った特集もあります


当社のお客様でも、持っている服はほぼユニクロ、
と言う方はたくさんいますが、清潔感のある服装で、
言われないと分からないと思います


「何故か好かれる人の生き方」のような本を読んでみると、
結局の所、相手に与えるイメージで、
大切なのは
『清潔感』『礼儀正しさ』です


そして、何故このような話を持ち出したかと言うと、
「服の耐久性」と言うものを、
日頃から意識して欲しいからです


特に男性で、カフス部分が擦り切れて、
ボロボロになったワイシャツや、
後ろポケット口が裂けているズボンを

ずっと気付かないまま、あるいは気付いても、
新しく買うのが面倒でそのまま着ている
・・・と言う方がとても多いな、といつも感じます



大抵の服は、ユニクロと同じか、
それ以下の耐久性である、
と言う認識で間違いありません


そのため、特にシャツ類は、
周囲の人へ与えるイメージ、と言う点でも
購入から2〜3年で買い替えた方が無難です

そう言った点でも、安価かつ耐久性のあるユニクロの服は
クリーニング業に従事する人から見ても、非常に優秀です


男性の場合、着用中に破れ・裂けが
発生しても笑い話で済みますが
女性の場合はそうも行きません

特に、カフス部分がボロボロになったワイシャツや
わき部分が摩擦により擦り切れて、
穴の空きそうなブラウスが非常に多く見受けられます

季節が移り変わる時・服をしまう時、あるいは出す時に
「破れ・裂けがないか、全体をチェックしてみる」
と言うクセを付けるよう、心掛けてみて下さい


なお、購入から2〜3年が経過して、
長期間の着用、および何度もクリーニングをした服は、
基本的に
「価値がゼロ」と見なされます

そのため、クリーニングに出して破れ・裂けが発生しても、
この服は
「価値ゼロの服」なので補償は出来ません、
と主張する事が可能です
(クリーニング店によって対応は異なります)


自分としては「まだまだ着れる服」と思っていても、
『減価償却』と言う観点では、価値がゼロかもしれません
ご注意下さい