クリーニング豆知識

第百八十七回:「食欲人」

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」

常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第百八十七回は、「長生きする食事とは」について


クリーニングとは何の関係もありませんが、
健康に気を付けている人は、知っておいて損はないのでは、
と思う事がたくさん書かれている本を読んだので、
内容を簡単にまとめておきます


少しでも気になった場合、是非実際に買って読んでみて下さい
その本とは・・・
「食欲人」と言う本です


昨今、肥満が世界的な問題となっていますが
そもそも何故人は肥満になるのか?と言う疑問が湧きます

食べすぎじゃないの?と思うかもしれませんが、
そもそも
「食べ過ぎて肥満になる仕組み」が、
現在の世界には存在するのではないか
だとしたら、その仕組みとはどういったモノなのか


その仕組みを非常にざっくりと説明すると、
「たんぱく質不足を補おうとして、食べ過ぎる。結果として太る」
・・・と言う結論でした

ただし、今日にでも、この検証結果を覆すような
実験の結果が発表されるかもしれません



また、別の本で読んで知った事ですが
人は
「すごくおいしい」と思うモノを食べた場合
本能的に
「次にいつ食べられるか分からないから、
この機会にたくさん食べておこう」
と食べ過ぎてしまう、との事です

そのため、
「最新の学説をまとめた本」と言った類のものは、
「一部が、もしくは全体が間違っているかもしれない」
と思いながら読み、あまり鵜呑みにはしないよう心掛けてみて下さい


動物実験で、たんぱく質が不足するよう調整したエサを与えた後
たんぱく質・炭水化物・脂質が多い三種類のエサから、
自分で選んで摂取するように切り替えると

動物はたんぱく質の不足をまず補うようにエサを食べ、
その後一定のたんぱく質を摂取しながら、
バランス良くたんぱく質・炭水化物・脂質を接種したとの事です



逆に、たんぱく質が少ないエサを与え続けていると、
たんぱく質不足を補おうとして、エサをたくさん食べました


人間も基本的には同じであり、
「全体のカロリーの15〜20%程度」を、
たんぱく質として摂取するよう食事をするようです


この事が肥満とどう関係するかと言うと
「世の中には、低たんぱく質・高炭水化物・高脂質の、
加工食品が溢れているから」
です

そのような加工食品ばかり食べていると、
たんぱく質不足を補うために、人は食べ過ぎてしまう
結果として肥満になる・・・と言う結論に達していました



では、何故
「低たんぱく質・高炭水化物・高脂質の
加工食品が世の中に溢れているか」
と言うと

まず低コストである事
そして、人はそう言った食品を
『食べ過ぎて』しまうから
大手食品加工メーカーは、そのような食品を販売している、との事です
(この部分は、筆者の主張であり、『正しい』かどうかは別です)

ここでもう一度
鵜呑みにせず、
「ちょっと疑いながら見る」と言う視点で、
こう言った本は読んでみて下さい


なら、たんぱく質ばかり食べればいいのか・・・と言うとそうでもなく
多すぎるたんぱく質は毒であり、動物実験でも、
接種するたんぱく質が多くなりすぎないよう、
動物は本能的に調整している、と言う結果が出ています


ボディビルダーの食生活、
と言う特集をテレビで見た事がありますが
卵と鳥のささみのサラダを食べていました


筋肉を作る上では有効な食事かもしれませんが、
普通の人が毎日食べていると、いつか飽きてしまうでしょう

そのため、健康に気を付けた食生活、としては
「全体の15〜20%に収まるようたんぱく質を摂取する。
加工食品はなるべく控える」
と言う食生活が、
健康的かつ長寿に繋がる・・・と結論付けています


この本を読んでから、
「健康的な食生活」と言う視点で
スーパーやコンビニの食品を見ると

「濃い味」・「濃厚」・「〇〇2倍配合」と言った、
「たくさん食べさせるための仕組み」で世の中は出来ている、と感じます


ただし、本書の内容を全て忠実に実行しようとすると、多分疲れます
人は、ストレスが溜まって、味の濃いスナック菓子を食べたい時も
インスタントラーメンで食事を済ませたい時も
健康ドリンクを飲んで何とか乗り切りたい時もあります



健康で長生きしたいから、この本に書かれている事を
今日から完璧に実行しよう!・・・と言うよりは

知識を得た上で、気を付ける所は気を付ける
たまには気を抜く、次の日はちょっと気を付ける
・・・くらいが、現実的な落としどころではないでしょうか


そもそも、体に明確な悪影響を及ぼす成分・食品は
基本的に法律で禁止されています

本書でも取り上げられているトランス脂肪酸など、
「禁止されている国もあるけれど、日本では禁止されていない」
と言う成分もありますが、気にし過ぎると、いつか疲れてしまいます

大切な事は
「健康に気を付けた、でも長期的に続けられる食生活」
と言うものを見つけて、コツコツと続けて行く事だと思います


本は、自分の世界を広げてくれます
少しでも深く知りたいな、と思ったら、是非買って読んでみて下さい