クリーニング豆知識

第百八十一回:「『威力業務妨害』の線引き」

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」

常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第百八十一回は、「『営業妨害』の線引き」について


2023年3月13日から

マスクの着用について、屋内・屋外問わず
「個人の判断」となりました

とは言え、今後も高齢者や持病のある人と会う際などは、
「マスクの着用を推奨する」となっており、
マスクを全くしなくて良い・・・と言う訳ではありません

3月13日朝のディズニーランドのある舞浜駅や、
首都圏の駅の映像をニュースで流していましたが、
そこは周囲の目を気にする日本人
ほぼ全ての人が、マスクを着けていました



ただ、マスクの着用が個人の判断となった事で、
今後更に増えると思われるのが、マスクに関するトラブルです


「入店の際には、マスクの着用をお願いします」

と言うルールを設けている、店舗・施設を利用するには、
引き続きマスクの着用が必要です

大手企業は、基本的に利用客に対してマスクの着用を
求めない方針のようですが、個人経営の店舗や、
高齢者が多く利用する施設などでは、
今後もマスクの着用を求める場所が多いでしょう


その際、マスク着用に関するトラブルが、今後多く発生すると思います
そして、『売る側』は結構知っている、でも『買う側』はあまり知らない


自分や周囲の人の身を守るためにも、
出来れば多くの人に知っておいて欲しい、と思うのが
「どこまでやれば営業妨害(威力業務妨害)か」と言う線引きです
要は、警察沙汰になると言う線です

「どう言った状況であれば、警察を呼んでもいいのか」に関して、
日頃から常に考えている人は、あまりいないと思います

ただ、
「ここまでやれば警察沙汰」と言う線引きを知っておけば、
いざと言う時に即座に対応が出来ます


今後もマスクの着用を求めるような場所で働いている場合、
もしくは、そのような場所を頻繁に利用すると言う場合
一度、警察署に出向いて相談してみるのも良いかもしれません


警察には、そのような日常で起こる事について、
相談を受けることも業務の内です

一度、以前から疑問に感じていた、
「こういう場合、警察を呼んでもいいのか」について、
実際に警察署に出向いて相談に乗って頂いた事がありますが、
とても丁寧に対応していただき、細かい疑問が解決しました


テレビでの特集や本で得た知識、
そして警察署での相談で教えてもらった事を総合すると・・・

「入店の際にはマスクの着用をお願いします」
と言うルールの店舗・施設に入る際、マスクを着用しておらず

マスクの着用を求められ、拒否して、その店舗や施設を利用しようと、
店員の静止を振り切って入店した時点で、威力業務妨害となります

腹いせに何かを壊したら、器物損壊
土下座を強要したら、強要
暴言を吐いたら、脅迫
金品を要求したら、恐喝
従業員に暴行を加えたら、もちろん暴行になります


「土下座を強要したら強要罪」
と言うのは意外かもしれませんが、
以前に逮捕されたケースもあります

もっと知りたい場合は、インターネットで検索すると
「どこまでやられたら警察沙汰か」と言う事を扱った
ホームページや動画がたくさんあるので、参照してみて下さい

これは逆に言えば、
「ここまでやってしまうと、警察沙汰になる」と言う線引きでもあります

『売る側』は、「お客様は神様です」と口では言いながら、
マニュアルで、このような時の対応を結構しっかりと決めているものです
自分や周囲の人を守るためにも、一応、頭の片隅に入れておいて下さい