クリーニング豆知識

第百六十八回:「コーデュロイの消失」

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」

常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第百六十八回は、「コーデュロイ製品の注意点」について



コーデュロイ製品

・・・と聞いて、どのような衣類かすぐ思い浮かぶ方は、
そこまで多くないかと思われます

ユニクロの秋〜冬物にいくつか
「コーデュロイ〇〇」と言う製品があるため、気になる方は、
ユニクロのホームページなどをチェックしてみて下さい


どういう製品かと言うと、基本的には
「凹凸のある、分厚い生地」です
分厚いので、大体は秋〜冬物の製品として多く見られますが、
春〜夏物としては全く見られない、と言う訳でもありません

以前は割とマイナーな存在でしたが、
ユニクロが積極的に販売している事もあり、
かなり一般的な素材となりました


しかし、このコーデュロイ製品
「染料が変質して、生地が消失する」と言う、
衝撃的な事実が、クリーニングの業界紙で取り上げられていました

どういう事かと言うと、紺や黒、こげ茶と言った、
濃色のコーデュロイ製品に使われている染料が、
時間の経過と共に変質して強力な酸となり
「自分自身を溶かす」と言う現象との事です



この事を、積極的に発信している人や会社は、
今の所少ないようであり、おそらく世の中で、
ほとんど知られていない現象であると思われます

もし、紺や黒、こげ茶と言った、
濃色のコーデュロイ製品をお持ちの場合

製造から(購入ではなく)数年で、染料が変質して、
衣類の一部が消失する可能性があります


全てのコーデュロイ製品の一部が、消失する訳ではありません
しかし、現実に一部の製品で消失が発生しているため、
同じような製品で発生する可能性はあります


ユニクロのような大きな会社か、
あるいはもっと大きなメディアで
注意喚起をして欲しい所ですが・・・

今の所そのような動きは見られないため、
知識を身に着けて、自分で自分の身を守る必要があります

コーデュロイ製品の肌ざわりが好きで、たくさん持っている・・・
と言う方は、特にご注意下さい