クリーニング豆知識

第百五十二回:「ルールとお願い」

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」

常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第百五十二回は、「ルールとお願いの違い」について



「マスクの着用をお願いします」

・・・と言う張り紙をしている店舗は、もはや普通になりました

ただ、
「お願い」と言う表現を用いているお店が多く、
「入店する際に、守らなくてはいけないルール」としているケースは、
あまりないように感じます

以前、日本の航空会社で、マスクを着用していない乗客に、
「マスク着用のお願い」をしたところ拒否され、途中の空港で着陸
当該乗客を降ろして再出発・・・と言う事がありました


では、マスク着用に関して、
『売る側』は
「お願い」しか出来ないのかと言うと、
そうではありません


「小学校以下のお客様の入店はお断りします」や、
「ベビーカーでの入店はお断りします」と言った張り紙をしている、
飲食店を見かける事があります

また、以前にテレビで、スマホの電源は切って入店
万が一スマホが鳴った場合、そのお客は店を出なくてはいけない
・・・と言うルールの飲食店を紹介していました


つまり、そのお店の裁量で、
「〇〇のお客様の入店はお断りします」や、
「〇〇の利用を禁止します」と言う
『ルール』
を設定する事は可能です

そのため、
「マスクを着用し、
手指のアルコール消毒に協力いただけない場合、入店は出来ません」


・・・と言うルールを設定する事も可能です
このあたりは、『売る側』と、『買う側』で、
大きな認識の差があるのでは、と感じます


海外の多くの航空業界では、マスクの着用は、
「利用する場合には守らなければいけないルール」であり、
マスクの着用を拒否して、飛行機に乗る事は出来ません

マスク着用を拒否して、他の乗客と乱闘
目的地に到着後、警察に逮捕・・・と言うケースも、
以前に海外でありました


誰でも、
「うっかりマスクを忘れる」
と言う事はあると思います

その時、マスクの着用が
「お願い」ではなく
「ルール」である店舗・施設において、
入店や利用を断られる事は十分考えられます

出来ればカバンの中などに、
「うっかりマスクを忘れて出た際の、予備のマスク」を、
入れておく事をお勧めします