第百四十九回:「レジ袋有料化の裏側」
「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」
常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています
第百四十九回は、「レジ袋有料化」について
レジ袋有料化が始まりました
しかし、クリーニング業はレジ袋有料化の対象外です
当社でも、従来通り、レジ袋は無料で提供しています
これは、スーパーのように
「自分の意志で何かを買った」と言う業態ではなく
クリーニング業が
「自分の衣類を預け、返してもらう」と言う業態だからです
ただ、一般には「クリーニング業は対象外」
と言う事はほとんど知られておらず、
春頃から「おたくも、レジ袋は有料になるの?」と良く聞かれました
また、更に知られていないと感じるのが、
「再生素材を一定以上含むレジ袋であれば、
引き続き無料で渡せる」
と言う仕組みです
牛丼チェーンがこのレジ袋を採用して、
今後もレジ袋は無料で渡す・・・と言う取り組みを
以前テレビで取り上げていましたが、その時言われていたのは、
「食中毒の問題がある」と言う事でした
マイバッグと一口に言っても、その素材や形状は様々です
そのため、マイバックの種類によっては、
食中毒のリスクが高まる、と言う判断でしょう
この場合、「食中毒発生のリスク>レジ袋切り替えによるコスト」
・・・と言う結論に至った、と考えられます
そして、その場合気になるのが
「クリーニング業界では、そのような取り組みはないのか?」と言う事です
ハンガーやレジ袋を販売している
「アソポリ」と言う会社に聞いてみたところ
「再生素材を使用したレジ袋は、コストが高すぎるため、
販売の予定はありません」との事でした
また、クリーニング業界では、
牛丼チェーンと違って食中毒のリスクはなく
量によっては「袋に入れずそのまま持ち帰る」
と言う事が可能であるため
「今後、レジ袋有料化の対象になったとしても、
高いコストをかけてまで、再生素材のレジ袋に切り替える必要はない」
・・・と言う対応が、ほとんどであると思われます
今後、ますますマイバッグ持参は常識になると考えられますが、
クリーニング業の観点からすると、
是非「家庭で丸洗い出来るマイバッグ」
・・・を一つ、用意する事をお勧めします
食品以外を入れる場合は問題ありません
しかし、例えば土の付いた野菜をマイバッグに入れると、
その土は残り続ける事になります
また、水分を多く含む食品を入れて、
こぼれて濡れてしまうような事も考えられます
そのため、
出来れば「食品を入れるマイバッグ」を用意しておき
そのマイバッグは
「家庭で丸洗い出来るもの」であると安心です