クリーニング豆知識

第百四十七回:「カラーシャツ」

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」

常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第百四十七回は、「カラーシャツとは?」について



カラーシャツ

・・・と言われても、
何の事か分からない方が多いかと思われます


正確には、
「カラーシャツ」
言うシャツがあると言う訳ではなく

クリーニング店やアパレル業が、
主に「白いワイシャツ」と分ける際に、使用している名称となります


当社では、基本的にシャツの分類は
「40℃で洗える品質表示であり、
貝や金属製のボタンなどが付いていないシャツ類」

ワイシャツとしています

そして、
手洗い表示や30℃で洗える品質表示・
貝や金属製のボタンが付いている・手洗い表示などのシャツ類

オープンシャツとしています


この分類は当社独自のものであり、
クリーニング店によって
「どのようなシャツがワイシャツになるのか」は異なります


そして、一部のチェーン店などで
使用されている分類が
「カラーシャツ」ですが

白以外は全てカラーシャツ、
あるいは黒や紺と言った濃色はカジュアルシャツ扱いなど、
分類の仕方がチェーン店によって異なります

つまり、当社で
「ワイシャツ」として受け付けていたとしても、
別のクリーニング店では
「ワイシャツではない扱い」
になる事が多々あります

逆に、当社で
「ワイシャツではない扱い」のシャツが、
「ワイシャツ」になる事もあります


消費者側からすると分かりづらい仕組みですが、
ワイシャツは基本的に、漂白剤を添加して高温で洗うため、
汚れ落ちが良い一方、衣類、特に色へのダメージは大きい、
と言う特徴があります


そのため、黒や紺と言った濃色のシャツを、
繰り返し
「ワイシャツ」として洗うと、
だんだんと色が褪せてきます


また、色は白であっても、
前述したように貝・金属製のボタンである場合、
プレス機でプレスすると、割れ・欠けの可能性があります

最近では、胸ポケットの部分だけ、セーターのようなニット生地のもの
エリ・ソデ部分に装飾が付いているものなど

「付属品が、ワイシャツとしての洗い・
仕上げに耐えられないシャツ」
もあります


あるクリーニング店で、
「ワイシャツではないシャツ」として分類される場合

今までに出した、全てのクリーニング店では、
ワイシャツとして扱っていたシャツであったとしても、
そのお店においての分類が変わる事はありません


この部分の認識は、クリーニング店と消費者側で、
大きく異なっていると良く感じます

そのため、あるクリーニング店で
「ワイシャツ」として扱っていたからと言って

全てのクリーニング店で
「ワイシャツ」として扱ってくれる訳ではない、
と言う事を忘れないで下さい