第百三十二回:「付属品」
「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」
常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています
第百三十二回は、「付属品」について
以前から、品質表示に関して疑問に感じていたのが
『※付属品は取り外してクリーニングしてください』
と言う表記です
特に、この表記だけがある場合は、
@付属品は取り外して、本体とは別々にクリーニングして下さい
A付属品は取り外して、クリーニングしないで下さい
・・・の、どちらにも受け取る事が出来ます
ただし、『付属品』が、取り外し可能な毛皮である場合、
大抵は「専門店にご相談ください」と言う表記があります
毛皮は、基本的に「毛皮専門のクリーニング」が適しており、
当社でも、全体が毛皮のコートなどは、
皮革・毛皮専門の業者に外注しています
本物の毛皮を、特に水洗いしてしまうと、
質感が大幅に変わります(ゴワゴワになる)
ドライクリーニングでも、絶対に安全とは言い切れません
そのため、
毛皮部分が取り外せないタイプのダウンやコート、セーターの場合、
クリーニング表示が「全て×」となっている製品も多々あります
このような製品は、クリーニング店で受付を断られるか、
あるいは毛皮扱いとなり、特別料金になる場合があるため、
注意が必要です
問題は、取り外せる部分が
「クリーニングに適していない」場合です
大抵の場合は、ベルトや、取り外し可能なワッペン・バッジなどです
これらの部分を、取り外す事なくクリーニングしてしまうと、
付属品が色落ちや劣化、破損する事があります
特にベルトのバックルは、非常に壊れやすい部分です
もし、お持ちの衣類に
「取り外し可能な付属品」が付いている場合
基本的には、外してクリーニングにお持ちになった方が無難です
ただし、セーターやコート・オーバー・ダウンなどによく見られる、
「本体と同じ素材で、プラスチックや金属などが付いていないベルト」
に関しては、クリーニングによる破損の可能性はあまりないため、
キレイにしてもらうと言う意味でも、付けたままで良いでしょう
また、フードやベルトが付いている場合の追加料金は、
クリーニング店によって様々です
また、付属品そのものに関する取扱いも、
クリーニング業者によって異なります
当社の付属品に関する取扱いは、
フード付き:+100円
ベルト付き:基本的に追加料金なし
毛皮付き:+300円〜1000円(全体に占める割合による)
・・・となっています
ただし、ベルトに関しては
「洗えないベルト」も多くあるため
そのようなベルトに関しては、
「洗わずに、そのまま付けてお返しする」と言う形になります
一度、お持ちの衣類に、
付属品の付いているものがあるかどうか
また、良く行くクリーニング店において、
付属品の扱いはどうなっているのか、を確認してみて下さい