クリーニング豆知識

第十回:実は危ない!身近にあるキケンなものC

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第十回目は、引き続き、衣類に触れるとキケンなものについて


◎コーヒー


毎朝必ず飲む、という方も多いコーヒー
比較的サラサラした液体なので、衣類に付着しても、
洗えば簡単にに落ちると思われがちですが、
お茶と同様、実は結構しつこいシミの一つです

落ちにくい原因は、
豆に含まれている油脂分や添加された着色料等で、
主にこれらの成分を除去するために、

高温での洗浄や漂白処理が必要になる事があります



少しはねた、という程度であれば、
普通に洗浄して落ちる事もあるのですが

厚めのセーターやワイシャツのカフス(袖口)などに付いて、
比較的厚い生地の部分に、
「染まった」ような状態になると少々厄介です

ワイシャツに付着した場合は、
ワイシャツ洗浄は、高温(40℃)での洗い方なので、
そのままでも落ちてしまう事も多々あります
しかし、通常の衣類に付着した場合は、
漂白処理が必要な事があります

問題になるのはこの漂白処理で、カビ取り剤の回で説明したように、
生地の組成や染色によっては、脱色等を引き起こす場合があります


色が白系の衣類は、基本的に「脱色する」という事自体が無いため、
比較的安全ですが(漂白処理に耐えられない生地の場合を除きます)、
色柄物の衣類を着ている際には、コーヒーには注意が必要です