ラジコンの話

   Radio control airplanes

 

                

   30代の頃、夜中に始まった腹痛で眠れないことがあり、その痛みの周期がだんだんと短くなってきて これは"おかしい、何かある"

   と思い、近くの病院に行きました。

   結果的には『ストレスによる十二指腸潰瘍』との診断で、幸いにも手術するところまで悪化していませんでした。

   その際に、医師から『趣味や自由な時間を楽しんでいますか』と聞かれ、当時の私は返事ができませんでした。

   その後は意識的に考え方を変えてきたつもりです。

   ○ 過ぎた事をいつまでも考えない。

   ○ 先の事を心配しすぎない。

   ○ 休日はダラダラせずに、自分の時間を自由に過ごせるナニかに熱中する。

   そうして、今では友人から『道楽者』と揶揄されるほどの『多趣味人間』になりました。

   そうして腹痛に悩むこともなくなりました。

   でも、どうしてもゴルフやマージャンは避けてきました。

   この二つは、仕事が絡む時、遊びでも趣味でもないのではないか、と私は思います。

   遊びのはずなのに利害関係が生じるからです。(よく言うでしょ、接待ゴルフ、接待マージャン)

   会社での立場で、誘われたり誘ったりしますが、果たしてそういう人達は本当にそのメンバーで やっていて楽しいのでしょうか。

   定年後にもそのメンバーで誘ったり誘われたりするでしょうか。否です。

   (まぁ、その人が好きならそれはそれでいい訳ですが・・・・・)

   私の言う趣味とは、『会社や仕事を離れても成立、継続できるもの』という絶対条件があります。

   定年になってから、趣味を探す、といってもそれはある意味で大変な事です。

   『何をしたらよいのかわからない』人たちが意外に多いようです。

   話が脇道にそれてしまいました。

   

   そうして、十二指腸潰瘍の治療と一緒に始めたのが手っ取り早い『ラジコン』でした。

   ラジコン飛行機が最終目的だったのですが、慎重派(?)の私は次のようなステップで長く続けようと考えました。

   ○限られた小遣いを有効に活用するため、最初から破損の機会の多い飛行機にチャレンジしてはすぐ挫折しそう。

   ○ プロポ(送信機)の操作に慣れる必要がある。 (実に単純な事だが、操縦者に対向してくる模型の舵は逆に"打つ"必要がある。

   緊急時には頭で考えて操作したのでは間に合わない。反射的にそういう操作ができるようにしておく必要がある。

   模型を壊さないためにも、安全のためにも。)

   ○ 模型エンジンの取り扱いも次のステップにしよう。(スターター等の準備が必要)

   そこで、最初は費用的にも手軽な電動カーから始めました。 平面(2次元)を移動する自動車の操作はまもなくマスターしました。

   当然、パワーやバッテリ持続時間に不満が出てきて、次のステップ『エンジンカー』に手をつけました。

   ウィリーしたまま走行するエンジンパワーは驚きでした。 この段階で、エンジンの扱いに慣れいろいろと改造したり部品を自作したり。

   数年間、楽しみました。

   ○ エンジン、プロポにもすっかり慣れて、『小道具類』も揃いいよいよ飛行機です。

   ○ それでも慎重な私は、立体的(3次元)に移動する飛行機の操縦に不安がありました。 そこで、グライダーから始めました。

   何機か壊したあと、すっかり活動休止していた『磯釣りの竿(グラスファイバー製)』を胴体に転用し、

   ちょっとやそっとの墜落では壊れない『軽量で丈夫なグライダー』を製作、このお蔭で小遣いに余裕が出ました。

   ○そうして製作した最初の飛行機。完成まで1ケ月半ほどかかりました。 エンジンの慣らしも終わり、初飛行は初夏の河川敷。

   人のいない早朝5時に、無事離陸。 しかし、高度が上がり始めた頃から左側に曲がり(傾き)始めて、修正舵を打ちましたが、

   機速がのっていないせいか、効きが悪い。 そうして、離陸から10数秒後に墜落、めちゃくちゃ、全損、修復不可能。 ショックでした。

   グライダーで3次元の動きにも対応できると思っていました。

   しかし、入門機とはいえエンジンのパワーはグライダーの機速とは比較になりません。 このときの失敗は以後役に立ちました。

   原因は『主翼のねじれ』にあったのです。 入門機でしたから、翼はフィルム張り。

   このフィルムを貼るには、アイロンの熱でフィルムを収縮させますが、その時バルサ材で出来た主翼にねじれが生じたのです。

   エンジン始動前の手投げで、前後のバランスや左右の傾きに異常がないと判断したのですが、結果は先に述べた通りです。

   ○ 普通はクラブに入会し、ベテランからいろいろと教えてもらい、初飛行は離陸して充分高度を確保した後で、

   プロポ(送信機)がベテランから初心者に手渡されます。 私はそういう段取りをしなかったのです。(独習が好き?)

   ○ その後、何機か製作しましたが、今は手元には1機もありません。

   現在、カメラやバイクの活動が忙しく、また何年後かに『ラジコン飛行機』を再開したいと思っています。

 最下段のモーターグライダーは実機です。(関宿滑空場にて撮影)


   鉄道模型もやりました。

   米国出張の時、私がラジコンや鉄道模型の趣味がある事を知った先方のエンジニア(Mr.Steven Cohen)が、わざわざ模型の店まで

   連れて行ってくれたことがあります。

   (この人からは、7月にこの”ホームページの感想メール”を送ってきてくれました。

   そこで、大型の車輌を買ってきましたが、日本の狭い家屋では走らせるのに『無理があった』。

   いまでも、多少の車輌とレール、コントローラー(変圧器)等は保管しています。

   いずれ、孫に与えるようになるかもしれません。  

 

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