おじさんは怒っている

 

『バランス感覚』のない人が増えてきて、おじさんは怒っているんだぞっ。

私がバイクやスキーが好きだから、「バランス感覚」ということを言いたいのではありません。

最近の日本人(政治家から若い人まで)の言動のことです。

国の経済でも、一般家計でも、その収支を表わすものが、「バランスシート」です。

燃焼装置や化学プラントでは熱の出入りを表わすのによく「ヒートバランス」という言葉を使います。

どちらも項目こそ異なっても、左右の数値のトータルは同一です。

一言で言えば、INPUT=OUTPUT ということなんです。 (エネルギー不変の法則。)

ところが人間や企業にあてはめてみるとどうでしょう。

INPUT(やってほしい)は求めるが、OUTPUT(やってあげる)はそうではない、という人や会社のいかに多いことか。

つい先日のニュース、『そごう』の"借金棒引き"の話です。

放漫経営、無能経営のツケを、どうして税金で補填する必要があるのか。

どんな会社でも、運転資金が回転しなくなれば倒産する、当たり前のことです。

どんなに大きな会社でも経営に失敗すれば倒産するのです。

そりゃ、困る人はいるでしょう。

でも、そこに至るまで、大きな会社であればあるほど、経営者から従業員、取引き業者も、

『一緒に甘い汁を吸った、いい時期』があったのは事実ではないですか。

そういうINPUTがあったことを忘れて、困った問題に直面した時、

すなわち自分達がOUTPUTしなければならない時はそれを嫌がり、他人に『泣きつく』。

それでは、世間のバランスが取れないんじゃないですか。


 

甘い話に釣られて、なけなしの虎の子を巻き上げられ、「被害者として泣きつく」だまされた金の亡者とよく似ていませんか。

一攫千金とまではいかなくても、『儲け話にその気になった』んでしょ?

自分に不注意やミスがあったんではないですか。

『欲』があったんでしょ。

その責任は一体誰のものなんですか。

あなたじゃないんですか、と声を大きくして言いたい。

ノーリスク、ハイリターンなんていうのはあり得ません。

あなたが得ようとしたハイリターンは、誰の積み上げたものですか。

そんなもの、あるはずがないでしょう。

そうでなければ、世間のバランスが取れないでしょ!!!


 

私は営業職です。

昔というほど古くはないのですが、お客様との間では『貸した、借りた』の関係が存在していました。

今期の予算をオーバーしているが、この工事を今やらないと操業に影響する。→ 発注金額は渋いけど、この借りは来期返すから、

という具合で、事実その時期になるときちんと別の名目で返してくれました。

でも最近は、予算が厳しいという話は途中まで一緒ですが、「来年返すとは言わない」。

それでも今までの付き合いがあるから、なんとか対応すると、『やれば出来るじゃん』という腹立たしい一言。

そうして、こちらの出血が新たなベースとなり、次回以降はさらにコストダウン名目の値引きを強要してくる。

要するに、『自分達の会社だけが良ければいい』のです。

一般の会社でも、そういう風潮が急速に強くなっています。

私は持論として、『一番汗をかいた人が一番利益を得るべきである』と思っています。

知恵を絞り、工夫を重ね、汗をかいて作った製品や商品は、適正な利潤が得られるべきです。

そうしなければ、その次以降に「知恵を絞り、工夫を重ね、汗をかく」ための基盤が作れません。

こういう『商流の川下(かわしも)に負担させる』期間が長く続くと、

最終的には川下(かわしも)からそれらの商品や技術を供給することができなくなります。

はっきり言えば、『最後には自分達も存在できなくなる』のです。

今の親達が子供を教育する余裕があってこそ、次の世代がさらに工夫、発展する資源になるのです。

この大きなサイクルの輪を途中で切断してしまってはいけません。

お客様は神様です、という言葉がありますが、ここには、『無条件で』とは書いてはありません。

適正な利益を支払っていただけるお客様が神様です。

日本では特に、会社の規模が大きいと『一流である』と勘違いしている人が非常に多いものです。

とんでもない間違いです。

小さくても約束を守れる会社、マナーのある会社、バランス感覚の備わった会社が一流なのです。

こういう会社は、バランス感覚のない企業を次第に相手にしなくなるでしょう。

そうして立派に生き残っていくと思います。自らがバランス感覚を崩さなければ…・・

先の、『そごう』はデパートでは最大級の規模です。

では一流でしょうか。

経営能力のない者が運営し会社の経営が危なくなったから、

自分の会社を守るために「借金を棒引きにしてくれ」という会社が一流でしょうか。

そういうことを認めた役人や政府は一流でしょうか。

そんなことしていたら、世間のバランスが取れないんではないですか。


 

国の借金の大きさを反省するどころか、まだ国民の預貯金の半分ほどだからから大丈夫だ、とほざいたKとかという

バカ政治家がいます。

実力者、政府首脳なんだそうです、日本の。

前述の例は、企業や政治を話題にしていますが、個人レベルで見てもバランス感覚のない人たちが世の中にあふれています。

ルールやマナーを守らない。

これらはすべて、「自分さえ良ければよい」というおろかな人間達です。

こういう人たちを見ながら育つ若い人や子供たちに、正常なバランス感覚が身につくのでしょうか。

いろいろな世代で、いろいろな人たちが、急速にバランス感覚を失いつつあります。…・・


 

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