さざなみ芸者と台風芸者というのを知っていますか?
最近は宴会で芸者さんにきてもらって「どんちゃん騒ぎ」というのが極端に少なくなって寂しい限りの私です。
以前は、冒頭のような芸者さんがおりました。(今でもいると思いますけど)
鬼怒川温泉に行ったときがそうでした。
さざなみ芸者というのは、中年でおでこにしわが「さざなみ」のようになっているのです。
三味線や踊りもなかなかいけるのですが、海千山千でそれなりに客あしらいが上手でね。
TVやラジオでは聞けない"あぶない歌"も歌ってくれる。
ビール瓶や座布団、浴衣の帯まで駆使して、これまた怪しげな芸術的舞踊を披露してくれるし、
希望者には手を取り足を取り親切に指導してくれました。
「東京タワー」という芸ともいえないような芸も見せてもらったし・・・・・
芸者さんによっては、個人的な隠し芸(隠し毛?)を見せてくれたり!!
台風芸者というのは、さざなみ芸者にさらに磨きをかけて苔の生えたような年配芸者のことをいいます。
それはもう、私のお袋よりも年上ではないかというほど!!
三味線の音を合わせる指が、竹のふしのようで気のせいか小刻みに震えている!
おでこは、しわを通り越して台風時の大波のような起伏があるのです。
ですから、化粧もしわの谷間には行き渡らなくて、その時々の表情によって明暗のしわが出来るので、
照明の具合によっては、「不気味」な感じもします。
薄暗いトイレへの通路ですれ違ったりすると、『蝋人形の館』に迷い込んだような錯覚に陥ったり・・・・
こういうタイプの芸者サンは、お約束の2時間が過ぎても宴会の座敷から帰ったりしません。
なんだかんだといって、お客の部屋まで押しかけ大騒ぎして、「残業代」を稼ぐのです。
こういう苔の生えたような台風芸者は、もう失うものは何もないわけで、貞操の危機とか、まったく気にしていないどころか、
妙に懐かしがったりするのです。
深夜になって帰った後には、「入れ歯」の忘れ物・・・・・・
まぁ、昔は芸者サンは一人前になるまで行儀作法、芸など徹底的に仕込まれた上でお客の座敷に上がったわけですが、
くらべて、最近では、わけのわからない芸者もどきもいます。
年齢だけは若いけど、客の前に座るなり、客のお膳を食べ始める、なんていう論外のモノもいるようです。
注意すると、『だってぇ、お腹空いてるしぃ〜』、『それにぃ、飲み放題なんでしょお〜』
こういうのに遭遇すると、その夜の宴会は台無しになってしまいます。
客を遊ばせるという本来の仕事をせずに、自分の食欲を満たしているのですからね。
後ろから思いっきり『真空飛び膝蹴り』でも見舞ってやりたくなるというものです。
やはり、私達の宴会には、「さざなみ芸者」や「台風芸者」を呼んで楽しませて欲しいものです。