20:60:20の法則
「20:60:20の法則」というのがあります。
ある程度多数の人間から構成されるグループの分析です。
仕事でも勉強でもスポーツでも、
@「特に指示を受けなくても自分で工夫したり努力してかなりの成果を出せる」
A「指示を受ければ、なんとか及第点はもらえる」
B「指示や指導を受けても、やらない、できない、他人の邪魔をする」
の、3つの集団に分けられ、その比率が、「20:60:20」となっているというものです。
学校で見てみると、わかりやすいように1学級が50名としますと、
上位の成績を修めるものは、TOP10。(20%)
宿題をやってこない、テストをやると落第点、言うことを聞かない、も10名程度はいます。(20%)
残りは中間の者ですから、60%。
概ね、「20:60:20」に分類できます。
恐らく、軍隊や会社、相撲やプロ野球、国会議員の世界でも、同じように分類できると思います。
最近の企業社会では、リストラが言われはじめて、かなり経ちますが、
経営者側が好んで使う言葉が「少数精鋭主義」。
余談になりますが、サラリーマン川柳では、 「リストラで 精鋭だけが いなくなり」 というのが大受けしました!
経営側が言う、「少数精鋭主義」は、「20:60:20の法則」から言えば、本当は上位の20%でいいのだけれど
業務量から言うといくら何でもそれではこなせないので、最低でも、最下層の20%をカットしたい、ということです。
ところが、世の中、そうはいかないのです。
この法則にはさらに次の法則があるのです。
最下層の20%をカットしても、残りの80%が時間を経て、また「20:60:20」に分類されてしまう、のです。
具体例を挙げれば、すぐわかります。
有名大学を目指す、全国の高校生や浪人がいますが、その挑戦者達は、その地区では「TOP10」よりもさらに上位にいる人たちでしょう、多分。
しかし、その中から、篩(ふるい)にかけられ見事合格の栄冠を勝ち取っても、卒業する頃には、やはり、それなりのランク分けがされています。
プロ野球でもそうです。
甲子園に出た高校球児でも、プロのスカウトの目に留まるのはわずか。
さらにめでたく入団出来ても、レギュラーの道はさらに険しい。
さらにさらに、各球団の4番打者をたくさん集めても、自主トレに気合いが入らず開幕に間に合いそうもない者(ペ)も出てきていますよね。
下層の集団にいる時は、精鋭でも、別の集団にはいると精鋭ではなくなるのです。
それに、「精鋭を維持」することは、大変なようです。(全くほど遠い位置にいるのでわからない、私です。)
ヨーロッパの古い”ことわざ”に次のようなものがあります。
「全員が将軍にはなれない。沿道から拍手を送る人も必要なのだから」
ですから、企業の経営者も「我が社は精鋭の集まり」を目指しても、それは永遠に叶わぬ夢であることに気がつくべきです。
本当の精鋭は、その程度の集団の中ではガマンが出来ずにそこを飛び出して、自らをステップアップさせていきます。
この法則の最大のポイントは、「相対評価」であることです・・・・・・・・・・