「これで空の煙やすすをとるんだよ!」

 おいらの考えはこうなんだ。アクリル板をこすったやつをいっぱい一本のロープにくくりつけて、ロープの両はしを二隻の飛行船にくっつけて空に持ち上げれば空の煙やすすは板に吸い付くんじゃないかってね!そうすれば、煙やすすは空からなくなって空がきれいになるから雪がもとの真っ白になると思うんだ。でもそうすると飛行船が二隻も必要になる。一隻はコウテイペンギンさんから借りればいいけれど、あと一隻はどうするか?とりあえず、コウテイペンギンさんにワケを話して飛行船・エンペラーツェッぺリン号を借りにいったんだよ。

「今のアデリー君の話だと、もう一隻飛行船がいるねぇ。私のところにはエンペラーツェッペリン号しかないし…」

「そうなんです。誰か飛行船を持ってるペンギンを知りませんか?」

「フム、そういえば、ロイヤルペンギンが飛行船を作ってるとか…」

 おいらはロイヤルペンギンさんのところにいった。

「飛行船はあるにあるけれど、まだ作りかけなんだ。残りは細かいところだから一応は飛べると思うけど…まだ一度も飛んだことがないんだ。それにこの飛行船・Z−1号には自動操縦装置ってのがあるんだけれど、それをテストしなくちゃならないと思っているんだ」

「作りかけでも飛べるんですよね?」

「そのはずなんだが…しかしなあ、作りかけのテストもしていない飛行船にいったい誰が乗るんだい?」

「えっ、いや、おいらが乗りますよ!」

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