イワトビ君といっしょに板を片づけていると、雪が降ってきたんだ。その雪はいつもの真っ白じゃなくて、ちょっと黒ずんでいたんだ!しばらくすると、辺り一面灰色になっちゃったんだ。おいらはあわてて王様のところに行ったんだ。王様のところでもちらほら灰色の雪が降ってきたんだ。

「どうして白いはずの雪が灰色になっちゃったんでしょうか?」

「それは人間のせいだ!人間はエントツから黒い煙やらすすやらをたくさんまき散らしてるからな!」

「でも、人間が住んでいるところはここから遠く離れてますよ。それに煙やすすのせいで雪が灰色になっちゃうなんて…」

「アデリーよ!地球はひとつなんだぞ!風にのってめぐりめぐって、ここの空にもやって来るんだ。遠い国では、煙やすすのせいで汚い雨が降ってきて、それで木を枯らしてしまったことがあるらしいぞ!!」

「人間っておりこうなのかバカなのかわからないや。煙やすすのせいで雪が灰色になっちゃったのか…まてよ!それじゃ、煙やすすを空からとれば、もとの白い雪になるんですよね!」

「まあ、そういうことになるな。何かいい方法でも考えついたのか?」

「はい!」

 おいらはイワトビ君のところへ戻ったんだ。岩場に散らばっているアクリル板を指しながら、たのんだんだ。

「これを全部おいらにちょうだい!」

「それはいいけど、何に使うの?」

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