「イワトビ君が持っていたんだよ。イワトビ君はさっきボクがやったみたいに髪の毛を板に吸い付けて遊んでたんだよ。やりすぎて髪の毛が立ったままになっちゃったんだってさ!」

 おいらはイワトビペンギン君が住んでいる岩場に行ったんだ。岩場にはたくさんの透明のアクリル板だらけ。板を拾っているイワトビ君を見つけた。

「イワトビ君!おいらにその板一枚ちょうだい?」

「ああ、いいとも、一枚といわずもっとたくさん持っていってよ」

「ホントかい?ありがとう…この板、こんなにたくさんどうしたの?」

「一月くらい前だったかな?朝起きると、いっぱいこれが岩場に散らばっていたんだ!たぶん、人間が落としていったものだと思うんだけれど…」

「落とし物なの?それじゃ、返さないと…」

「いや、落とし物じゃなくて、わざとかどうかわからないけれど、捨てたものじゃないのかな…だって、落としていったのは1ヶ月も前のことだよ!それからずっと散らかっててさ。こんな板でもこういっぱい岩場じゅうに散らばってちゃあじゃまでね。それにペンギンの子供たちがこの板で足をすべらせてころんじゃうんだ…だから今もこうして板を片づけているんだよ」

「そうだったの。おいら、片づけるを手伝うよ!」

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