「そうじゃ、この種目ならばスーパーうさぎパートUサイボーグぴょんぴょん丸でも勝てるだろう。なんなら、スーパーうさぎパートUサイボーグぴょんぴょん丸だけ、棒無しで跳ばせても良いかとも思ってるんだよ。何しろあいつはスーパーうさぎだから、走ったり、飛び跳ねたり、それから聴くことは人間よりも上だ。だからそのほかにもわしが今年からこの町内運動会に取り入れさせた種目のなかには、走り幅跳び、反復横飛び、それからスーパーうさぎパートUサイボーグぴょんぴょん丸の聴力を生かせる、伝言ゲームやイントロクイズがある」

「運動会に伝言ゲームやイントロクイズですか?そんなの聞いたことがありませんよ」

「とにかく勝てばいいのだよ、勝てば・・・それに臼井君、これからの運動会の流れは、飛び跳ねることと聴くことだよ」

「そうかなあ?」

と、臼井助手は思いました。

 青山博士がスーパーうさぎパートUサイボーグぴょんぴょん丸のために取り入れさせた伝言ゲームなどの種目はすべて、青山博士の期待通り二丁目が一位を獲得しました。しかし、綱引きや棒倒しなどの力が必要な種目は影の運動会優勝請負人のマッスル北村がひきいる三丁目が勝ちました。自力に勝る一丁目も負けてはいませんでした。

 ついに残る競技はあとひとつ、リレーだけになってしまいました。このリレーの勝敗によって、総合優勝の行方も決まります。三丁目の町会長さんがマッスル北村を呼びよせて言いました。

「北村君、もしわが三丁目が優勝を逃したら、君に支払ったお金は全額返してもらうからね」

「ワカッテマス。マカセテクダサイ」

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