と呼びかけました。少年は眠い目をこすりながら起き上がりました。ピンクのうさぎは、夕方に少年がハーモニカの練習をしていたのを見たのだけれど、
「きのうおいらがあげた楽譜でハーモニカの練習をしたかい?」
と、わざときいてみました。
「うん、学校から帰ってからだけど、練習したよ」
「じゃあ、おいらのオルガンにあわせて吹いてみてよ」
きのうと同じようにピンクのうさぎのオルガンと、少年のハーモニカと合わせてこんどはキーがCの曲を練習しました。少年ははじめはうまく吹けないけれど、何回かくり返し合奏するうちに、上手に吹くことができるようになりました。そこで、ピンクのうさぎは昼間作っておいたキーがFの楽譜を少年にわたすと、
「それじゃ、またあした!!」
といってこの日の少年との練習を終わりにしました。
それから朝がきて、ピンクのうさぎは図書館へ行って楽譜を作り、そのあと発表会の練習をしました。そして夜になると少年のところへいって、いっしょに練習をしました。そんなことをくり返す日々が続きました。ピンクのうさぎは大いそがしでした。オルガンの発表会はもう間近でした。寝る間もおしんで練習しました。
そんなある夜、E♭の曲を少年と練習していました。ピンクのうさぎは、ハーモニカを吹いている少年を見て、”ずいぶんこの子は楽しそうにハーモニカを吹いてるなあ!”と思い、なんだかこっちまでそれにつられて楽しくなってきました。このときです!ピンクのうさぎは音楽ってこんなに楽しいものだったなんて!とあらためて感じました。音楽って楽しい!…。
少年との練習を終えたピンクのうさぎはしみじみ考えました。そういえば少年がなかなか眠ってくれないことがあったけれど、あれはおいらと練習するのが楽しみでなかなか眠れなかったのかも…?ここ数日間、ピンクのうさぎは寝るひまも食べるひまもおしんで本当にいそがしく練習していました。けれどあんまりつらくはなかったのです!それも楽しいから?と思いました。ピンクのうさぎは黄色いフクロウ先生のところへ行って、