「ピンクのうさぎ、どうだった?現実の世界の少年は?」
「まあまあです」
「まあまあか…それはそうと、発表会の準備は進んでいるのかね?今回は自分で曲目を選びなさい。練習も自分でやるんだ!」
「え〜、先生!おいらを見捨てないでください」
「バカもん!見捨てるなんて、するわけないだろう!出来の悪い生徒ほどかわいいもんだ!ただ今回は今までとはちがった方法が必要だと思ったんだ。だから相談したいときには、いつでもきなさい。いいね、わかったね」
「そんなあ」
このあとピンクのうさぎはさっそくオルガンの発表会の練習をしました。
夕方になり、ピンクのうさぎは少年のところへいきました。少年は学校から帰ってきて自分の部屋でハーモニカを吹いていました。一枚の楽譜とにらめっこをしています。それを見たピンクのうさぎははねるように喜びました。
「あんなに一所懸命練習してるなんて…おいらもがんばらなくちゃ!」
夜になり、少年は手にハーモニカを握りしめ、眠りました。ピンクのうさぎは昨夜と同じようにとんがり帽子を少年の方に向けて帽子が光るのを待ちました。しばらくすると少年の脳波がステージレムになり、帽子が光りだしました。ピンクのうさぎはなんて呼びかけて起こせばいいのか?また迷っていたけれど、結局、きのうと同じように、
「ねえ、ねえ、ちょっと起きてよ!!」