音楽の国の使いから(後編)

 とにかく少年を起こさなくてはならないと思ったピンクのうさぎはとっさに、

 「ねえ、ねえ、ちょっと起きてよ!!」

と、頼むように呼びかけました。すると少年は目を覚ましました。ピンクのうさぎのことを見て、不思議そうにしています。だから、ピンクのうさぎは安心させようと思って、

 「そう、ここは夢の中だよ」

と、いってやりました。少年は、

 「君はいったい誰なの?」

と、きいてきました。

 「おいらのことかい?おいらはピンクのうさぎ。音楽の国からやってきたんだ」

 ピンクのうさぎはまだ胸がドキドキしていたので、

 「君はこの前、お母さんからハーモニカを買ってもらったね。きのう、君が練習してるのをちょっと聴いちゃったんだ」

と、さっそく本題の入ろうとしました。そして、

 「おいらにハーモニカを聴かせてよ!」

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