っておいらがいったんだ。

「エンジンなんて使ったら、それが空気の中へ炭酸ガスをまきちらすことになるのよ!そうしたら身もふたもないでしょ」

「そうか、エンジンは炭酸ガスを出すんだよね。ほかの方法で空気の中の炭酸ガスをへらすことはできないの?」

「カセイソーダは空気の中の炭酸ガスを吸い取る性質があるんだ」

「博士、カセイソーダってな〜に?」

「カセイソーダは塩水に電気をとおすとできるんだ」

「へ〜え、それじゃあ、塩水に電気をとおすだけで空気の中の炭酸ガスをへらすことができちゃうの?」

「まあ、かんたんにいってしまえばそうだ。私はもともと塩水から水素を取り出してそれを燃料電池に使う研究をしていたんだが、塩水に電気をとおすと水素といっしょにカセイソーダもできるというところに目をつけたんだ。カセイソーダを塩水から取り出すにはちょっとした工夫が必要なんだけれど…あれれ?フンボルトや!…アデリー君はどこへ?」

「博士!とっくの昔に『おいら、いいこと思いついた!』っていって南極へ帰っちゃったわよ」

「あ〜あ」

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