写真の話 中級編 vol.3

3.フィルターはなぜ使う

昨今はノーフィルターが流行りのようですが、フィルムの特性を考えるとナンセンスだと考えています。
ここでは、フィルターを使う理由を話したいと思います。

モノクロ用フィルター
モノクロ用はUVを除けば、全て色つきです。
これは、フィルターの分光透過率とフィルムの分光感度との関係があります。
最近のモノクロフィルムはパンクロマチックといって、全色に感光域があります。
従って、青い空を撮影しても、赤い服を撮影しても同じように感光します。
そのため違う色なのに、モノクロで撮ると同じグレーになってしまい、識別がつかなくなります。
それを避けるために、フィルターを使うのです。
赤系のフィルター(お持ちでない方は、赤いセロハンでも可)を通して、ものを見て下さい。
赤いものは白っぽく、その他の色は黒く見えるでしょ。
それが、分光透過率の違いなんです。青い物が黒く見えると、フィルムにもそのように感光するんです。
だから、航空機写真は赤系のフィルターをつけて撮ると、空が黒くなって、航空機が浮かび上がるんです。
緑系のフィルターは青と赤両方を吸収しますので、赤い物も黒く写ります。
女性の顔写真を撮るとき使用すると、口紅が黒く写り、肌が白く写りますから、見よい写真ができます。

カラー用フィルター
カラー用はスカイライト、PLと色温度補正用フィルターとあり、スカイライトはピンク色、PLは濃いグレー、色温度補正用はアンバー系、ブルー系と蛍光灯用の紫です。
スカイライトは、UV域を殆ど通さず、緑の一部も吸収します。晴天の木陰など少し色温度が高くなるので、UVよりスカイライトの方が常用用として向いてます。
PLは偏光フィルターで、金属以外の物の反射を取ってくれます。池の鯉を撮影しようとしても、水が反射してうまく写りませんが、PLを使って水の反射を押さえれば、写ります。
順光状態の空は反射光ですので、PLを使うと空の色が濃くなります。(逆光では効果がない。)
PLはぐるぐる回りますが、回して一番暗くなるようにして使います。(一番くらいところから少し戻すというのも聞いたことがありますが。)
色温度補正用は曇天の時に使用したり、屋内で白熱電球、蛍光灯の明かりで撮影する場合に使用します。
曇天の時は色温度が高いので、そのまま撮影すると青っぽくなってしまいます。そのため、アンバー系のフィルターを使用し色温度を下げて撮影すると、自然な発色になります。
白熱灯では色温度が低いので、そのまま撮影すると赤っぽくなっていまいます。そのため、青系のフィルターを使用し色温度を上げて撮影します。
蛍光灯下で撮影すると緑がかった色になります。これは蛍光灯内の水銀蒸気の発光がかぶってなります。
蛍光灯用のフィルターはこの緑色を押さえるようになっていて、自然な色になります。

最近はラボの機械も良くなっていてかなり補正してくれますが、やはりネガ自体が補正されているとプリントもきれいです。
私はフィルターメーカーの手先ではありませんが、あまりにも無頓着な人が多いのでこれぐらいは知っておけといいたいですね。

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