No.3
☆親とワタシのボロウン日記:いな君にレッカーされる編☆
〜1999年11月10日執筆〜

 ボロウンとは。ウチが以前乗ってた車、クラウンのロイヤルサルーンの愛称だ。
『クラウンだけどもう10年以上乗っててボロボロだから。ぼろいクラウンという意味である。

 8話までの話。
 6号線でボロウンが止まってしまい、どうすることもできなくなるが、後続車の男性に助けられ、とりあえずジャマにならないところに車を移動させる。彼はボロウンのボンネットの中をいろいろ調べてくれたが、結局わからずじまい。心からの感謝をこめてアリガトウをいい、彼を見送る。そして2人は途方にくれる。行くすべもなくこのまま6号線にたたずむのか、、、。その時マユミが、ふといな君を思い出す。彼ならなんとかしてくれるだろう、と、彼に電話し、たすけに来てもらうコトに。

 さて、いな君がやってきた。車にはもとみーと佐藤君も乗っている。
(注:8章でも説明したが念のため登場人物紹介。3人とも同い年。ピザーラつながり。もとみーはやめてしまったがいなくんと佐藤君は2人ともまだまだバイトをやっている。)

 いなくんともとみーは車にすっごく詳しいので(いな君は大の車好き。今のいな君の車も、その前も改造しまくり)とても頼りになる。車から工具箱を取り出し、さっそく作業に。あ、別に佐藤君が頼りにならないと言ってるのではない。 

 いな君たちはまず、エンジンオイルの量を見てくれた。この作業ははっきり言って教習所で習った時以来、見るのは2度目かもしれない。ましてや、ボロウンのエンジンオイルなど自分の目で見たのが初めてである。自分が自分ちの車にいかに無頓着であったのかを思い知らされた。

 エンジンオイルは大丈夫らしい。すると、なんなのか、、、。

 いな君ともとみーは、今度はバッテリーが云々かんぬんと言い出した。ワタシにはなんのことだかさっぱりわからない。わからないまま2人の手を見つめていた。マユミと佐藤君もボロウンにアツイ視線を送ってくれている。しかしバッテリーも正常な状態だった、、、。

 もうボロウンはうんともすんとも言わない、、、。

 さて、JAFを呼べばどうにかかるだろう、、、と、ワタシはいな君にJAFの番号を聞いた。がなんと!

「JAF呼ぶと結構お金かかるから、オレらがレッカーしてやるよ」

あぁ、なんていい人達なのぉぉぉ!(泣)

と、いな君ともとみーは、ボロウンをレッカーすべく、てきぱきと動き始めた。いな君の車にウチの車をつなげるのだ。そして、ボロウンのハンドル操作はもとみーがやってくれることになった。ワタシはもちろんマユミとうちのボロウンに乗った。

 ところで、今ワタシ達がいるのは国道6号線すぐ脇、ボロウンが家に帰るためにはどうしてもこの6号線に乗らなければならない。こんなレッカーされてる状態の車が、周りが猛スピードで走っている6号線でどうやって無事たどり着けるのだろうか、不安だった。しかもレッカーされる場合、確か制限速度があるのだ。何キロだったかは忘れたが、とにかく遅いスピードだ。周りにとっては国道でレッカーだなんていいメイワクだろう。
 そんななか、もとみーは、いたって普通の顔で運転している。いや、正確に言えば、ハンドル操作している。横を車が猛スピードで通りすぎてるのに。ワタシとマユミの顔は真っ青だ。
 でも実際は、もとみーもかなり緊張してたのだろう。いつしか額には汗が浮かんできた。目もいつになく真剣だ(爆)。曲る時など、いな君の車のペースに合わせてハンドル操作しなきゃいけないからむずかしかったにちがいない。

 かくして、ボロウンは無事ウチの駐車場にたどりついた、、、、。

 長い1日だった。初の遠距離運転、初の、高速、そして初の車故障、、、、。なんて日だ。しかし、まだ家に帰ってやることがある。親への報告だ、、。。ちなみに駐車場からウチまでは徒歩30秒、、、、。時間よ止まっておくれ、、(泣)

 家のドアが、非常に重く感じられた。居間には、父上、母上両方ともいた。心配してるかなぁ、あぁそれよりも怒られる、、、と思っていたが。

「あら、あんた無事帰ってこれたのね。」

 たったこれだけかい、、。全身から力が抜けた。簡単に事情を説明し、とっとと寝た。

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