健康研究サークル『オアシス』会報
オアシスだより 第30号 2006年12月

 
『オアシスだより第30号発行にあたり』
清野鍼灸整骨院 院長 清野充典 

健康研究サークル「オアシス」は、患者さんとの交流を目的として設立しました。清野鍼灸整骨院開設10周年の年・1997年です。今年は、発足10周年を迎えております。清野鍼灸整骨院も1987年に開設してから20年の年月を数えます。この間、医療業界は、西洋医学一辺倒から東洋医学導入へ、そして東洋医学中心の医療体制へと変わりつつあります。しかしながら、医療情報の開示は相変わらずなされていません。国民は、自分の足で情報を取る以外、有効な手段はありません。「オアシス」は、最新最良の情報が得られる“集合体”です。『オアシスだより』は、東洋医学の最新情報を活字で読める、日本で唯一の国民向け『情報誌』であると思います。会員の皆様に置かれましては、大いに「オアシス」をご活用いただきたく存じます。
テレビや新聞で聞けない医学・医療業界の話を少し致します。日本で、医学部は80大学にありますが、東洋医学の教育研究機関は、母校・明治鍼灸大学1校だけの時代が長く続きました。4年前ようやく2校目の大学が誕生。2006年度現在、鍼灸学部を有する大学は5校になりました。来年度はさらに1校開学し、6校になる予定です。平成19年3月には、明治鍼灸大学以外から「鍼灸学士」の学位が授与された鍼灸師が誕生します。大学院は、明治鍼灸大学大学院のほか新たに1校開学し、2校になる予定です。
W.H.O.(世界保健機構)も、東洋で行われている医学を主軸におきつつあります。その中で、最も重要視されている医療が鍼灸治療です。2006年9月に、オランダで行われた統合医療学会(西洋医学と東洋医学双方を検討する学会)で、日本の鍼灸治療を紹介してきました。学会長の要請に応えたものですが、日本の鍼灸師が、欧州で「日本の鍼灸技術」全体をテーマとして依頼され講演したのは、私の知るところにおいてはおそらく自身が初めてのことではないかと思います。1990年代より、薬を飲まなくなった欧州人に対し、医師らは東洋で行われている医学を導入し始めました。その際、彼らが勉強を始めたのは、「今の中国で行われている鍼灸治療」です。鍼灸治療発祥の国であることがその理由です。日本・韓国・台湾以外の国ではすべて、「中華人民共和国で行われている鍼灸治療」を行っています。

1822年から1957年まで135年間、中国(清・中華民国・中華人民共和国)は鍼灸治療・漢方薬治療を国家医療として認めていませんでした。近代国家形成を目指した政府が、近代医学を国家の医療としたためです。その結果、中国医学は衰退の一途をたどりました。「現在の中国で行われている鍼灸治療」は、日本よりはるかに立ち遅れています。そのことに気付き始めた欧米人医師たちは、1500年間国家医療として国民の健康・保健を担ってきた「日本の鍼灸治療技術」に目を向け始めました。明治以降、韓国・台湾は、日本の鍼灸治療技術がベースです。その理由は、「戦争がもたらした副産物である」ということでお分かりいただけることと思います。毎年、いろんな国に行き、医療状況を視察しておりますが、日本の鍼灸技術は世界一であることを実感できます。
現在、鍼灸治療法に関しては、「日本を制するものが世界を制す」という構図です。清野鍼灸整骨院は、全スタッフが「鍼灸学士」です。新しい治療法や最先端技術を次々に学会発表している当院は、日本の鍼灸界をリードしている医療機関であると自認しています。現代医療主体の医療機関や他の鍼灸院・整骨院で効果が得られないときは、ぜひ当院をご利用くださるよう、ご家族・ご親戚・友人にお勧めください。世界最先端の医学知識と東洋医学の医療技術を皆様にご提供したい。清野鍼灸整骨院開院20年目の思いです。

平成18年12月13日現在の会員数 135名 

■ 目 次 ■
 鍼灸治療の効果をご存知ですか?(呼吸器編2) 『かぜについて(上)』
 鍼灸治療の効果をご存知ですか?(泌尿器編2) 『膀胱炎』
 鍼灸治療の効果をご存知ですか?(消化器編2) 『胃潰瘍』
 鍼灸治療の効果をご存知ですか?(産婦人科編2) 『婦人科に効ある鍼灸治療』
 鍼灸治療の効果をご存知ですか?(整形外科編2) 『変形性膝間接症』





鍼灸治療の効果をご存知ですか?
(呼吸器編)

『かぜについて(上)』
清野鍼灸整骨院 府中センター 院長  日吉 直之

1. はじめに

 「かぜ」は最も多い呼吸器感染症であり、多くは軽症ですが、肺炎へ進展したり、抵抗力の低下した乳幼児や高齢者、ガンなどの重篤基礎疾患保有例では、「かぜ」を契機に急性増悪をきたし死亡することもありますので、予防や早期治療が重要です。またインフルエンザでは乳幼児の脳炎・脳症や高齢者の肺炎死亡例がありますので、注意しなければいけません。

2.「かぜ」とは?

 「かぜ」は、くしゃみ、鼻づまり、鼻水、喉の腫れ、そして発熱が特徴で、主に急性鼻炎や咽頭炎の形をとる急性呼吸器感染症です。他に全身倦怠、頭痛、腰痛、関節痛など全身症状を伴い、多くは全身症状が軽微で予後も良く、約1週間で改善します。以下に西洋医学的病態の大まかな分類を示します。
@ 普通感冒
鼻炎症状が主で、発熱や倦怠感などの全身症状がほとんどなく、2〜4日程度で改善します。しばしば咽頭痛、ときに咳、痰を伴います。原因ウィルスはライノウィルスとコロナウィルスによるものが大部分を占めます。
A 急性咽頭炎
鼻炎症状や下気道症状よりも咽頭症状が強い型であり、咽頭痛、咽頭粘膜の発赤、腫脹、頚部リンパ節腫脹を認めます。しばしば38℃前後の発熱を伴う。アデノウィルスが最も多いが、細菌二次感染例では連鎖球菌の関与が多い。乳児に多いヘルパンギーナは咽頭粘膜に水疱、潰瘍の形成を認め、コクサッキウィルスA群が原因となります。
B 咽頭結膜炎
発熱、咽頭炎、結膜炎を3大主徴とし、アデノウィルス(主に3型)による例が多いです。夏季にプールを介して学童、小児に流行することが多いため「プール熱」の名で知られます。
C クループ
小児に多く、主体は咽頭炎であり、発熱とともに嗄声、犬吠様の咳を特徴とします。重症例では呼吸困難、チアノーゼを呈しますが、パラインフルエンザウィルスが主要病原です。
D 急性気管支炎
咳、痰などの下気道症状が主体となります。痰は少量〜中等量、粘液性〜粘膿性で、あまり高熱は見られません。成人ではアデノウィルス、インフルエンザウィルス、マイコプラズマ等が主要病原です。

次号は東洋医学的見地と治療法を説明致します。

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鍼灸治療の効果をご存知ですか?
(泌尿器編2)

「膀胱炎」

清野鍼灸整骨院 副院長代行 金親孝明



膀胱炎は、大腸菌などの細菌感染により膀胱が炎症を起こす病気です。泌尿器系ではよく見られる病気で、男性よりも特に女性に多く発症します。女性の尿道(3〜4cm)が男性の尿道(14〜18cm)と比べて短く、女性の尿道口は男性よりも肛門の近くにあるためです。また、女性には生理があるため、湿気の多い生理用品の中で細菌が繁殖しやすいということも膀胱炎を発症しやすい原因となります。


  

症状の初期は、頻尿、排尿時痛、残尿感、下腹部不快感などが認められます。症状が進むにつれ細菌が膀胱の粘膜を破壊するため、排尿時痛が強くなり、膿で尿が白っぽく濁ったり、血尿が出たりします。
泌尿器系は疲労と冷えに弱い臓器です。からだに元気があり温かいときは、免疫システムが良く働き、膀胱は細菌に感染しません。極度に疲労したり、冷えたりすると免疫システムの働きが悪くなります。そんなときに膀胱が細菌にさらされると炎症を起こし膀胱炎になります。膀胱炎を予防するためには、大量の水分補給をして尿と一緒に細菌を排出することが良いとされています。しかし、この考え方は間違っています。体内に余剰な水分が入ってくると泌尿器系はそれらを外に出すために必要以上に働かなくてはなりません。そのため、泌尿器系を中心に疲労や冷えが生じ、膀胱の中はさらに細菌感染しやすい環境となるからです。むしろ、水分の取りすぎをさけ、泌尿器系を疲労させないことが大切です。また、日常的に過労を避け、充分な休息をとることが全身の免疫の働きを向上させ、膀胱炎を予防します。

【膀胱炎の鍼灸治療】
現代医学では、膀胱炎の治療に抗生物質を使います。しかし、抗生物質は、細菌を殺すのと同時に、弱った免疫システムをさらに疲弊させます。そのため、抗生物質の治療では、症状が繰り返し再発し、なかなか治らないことがあります。一方、鍼灸治療は、抗生物質の効かないようなしつこい膀胱炎も、速やかに治癒します。膀胱炎にかかる患者さんは、下腹部や臀部に強い冷えがあります。骨盤内に強い血行不良がおきているのです。このような際、骨盤の中心にある仙骨部と下腹部にお灸をすると、からだは温まり、骨盤内の血行が良くなります。からだが温まり、血行が良くなれば、免疫力は高まり、膀胱炎は再発しにくくなります。寒い季節になってきましたが、体を冷やさないこと、疲れすぎないことが膀胱炎の予防になります。皆様お気をつけください。また、もし膀胱炎になってしまったときは、鍼灸治療にいらしてください。すぐに楽になります。

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鍼灸治療の効果をご存知ですか?
(消化器編2)
『胃潰瘍』
清野鍼灸整骨院 副院長 小野寺 啓

本来、食べ物を消化するための強力な消化液によって、胃自体がおかされたものが「胃潰瘍」です。もともと胃の内壁からは何でも溶かしてしまう胃酸が出ています。同時に胃自身が溶かされないように表面は胃粘膜で覆われています。この両者のバランスが崩れてしまい、胃酸により自己消化が起きてしまうのです。
 原因は、ストレスや飲食の不摂生です。ストレスなどが強くなると胃粘膜の血流が悪くなりなります。相対的に胃酸が強く作用して胃粘膜を溶かしてしまいます。薬剤によっても胃粘膜は弱くなるので、薬の飲みすぎでも胃潰瘍を引き起こす事があるのです。



西洋医学では粘膜保護剤ならびに抗酸剤、胃酸分泌抑制剤が投与されます。しかし、この薬物治療は胸焼け、上腹部痛などの胃潰瘍に伴う症状がある場合にのみ処方されます。ここで気をつけなければならないのは体力の低下した人や高齢者は無症状潰瘍、つまり自覚症状がない場合です。知らないうちに胃潰瘍が悪化してしまうことがあるからです。東洋医学的な診断方法によれば胃潰瘍の前段階から病気を見つけることが可能です。また、鍼灸治療を行うことにより副作用なしに痛みや不快な症状を取り除くことが可能です。胃の調子が気になる方、是非一度鍼灸治療を受けてみてください。思わぬ不調が見つかるかもしれませんよ。

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鍼灸治療の効果をご存知ですか?
(産婦人科編2)

「婦人科に効ある鍼灸治療」

清野鍼灸整骨院 院長  清野 充典


今回のテーマは「床上げ」です。

 第一回目に引き続き、ホームページに掲載してある内容を掲載いたします。パソコンをお持ちでない方のためですが、お持ちの方にも是非もう一度お読みいただきたいと思います。今回のテーマ「床上げ」は、核家族社会になったお母さん方に、軽んじられている部分です。育児教育をするために必要な体力は、「床上げ」の時期によって大きく左右されます。子育ては、国の根幹です。是非、会員の皆様には、今回の内容を「常識」にしていただきたく存じます。

2.床上げ

妊娠・出産という行為は女性にとって肉体的に大変な負荷がかかります。出産後は身体をゆっくり休める必要があります。近年、産婦人科で出産する人が多いので通常分娩で1週間、帝王切開分娩で10日間入院しますからその間は確実に授乳以外は休息を取っている事と思いますが、この期間だけでは足りません。出産後約3週間の休息が必要です。その理由として、出産に伴う出血・胎盤の剥離により失った血液を作る必要性があげられます。血液は主に骨髄で造られます。そのうち、赤血球は主に背骨で造られています。背骨は立っている間は重力の影響のため骨格を支える事に力を注がなければならず、横にならないと血を造る作業をはじめません。出産後は大量の血液を造り出さないといけないため寝ていなければいけないわけです。血液を出産前の状態に回復させるために必要な期間が約3週間です。30歳台ですと約4週間が必要と思われます。体力が回復したら少しずつ軽い家事からはじめるようにします。この時期のことを昔から床上げといいます。

最近は核家族化が進んでいるためか、退院後すぐに家事をしているお母さんが大変多いようです。体力がある22〜3歳までなら、さしたる症状も出ず育児期間を乗り切る事ができますが、身体の弱い方や30歳台の方は要注意です。当院にいらっしゃるお母さんをもとに推測すると、

1.床上げ1週間のお母さんは、約1年以内に生活に支障がある症状が    発症しやすい。
2.床上げ2週間未満のお母さんは、約1年半以内に生活に支障がある症状が発症しやすい。
3.床上げ3週間未満のお母さんは、約2年以内に生活に支障がある症状が発症しやすい。

ように感じています。24〜29歳で初産のお母さんは、体力しだいで上記に当てはまらない事がありますが、2人目、3人目の出産後に影響が出て来やすいようです。そんなお母さん方でも、鍼灸治療を受けますと元の体力に回復する事が可能ですからご安心ください。どんな些細な事でもご相談に応じさせていただきたいと考えております。母親から床上げの時期を聞くことのできない方が、このホームページを読んで、育児に必要な体力を回復・維持できます事を祈念いたします。

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 鍼灸治療の効果をご存知ですか?
(整形外科編2)  
      『変形性膝間接症
清野鍼灸整骨院 主任 中村幸雄


皆様、お元気ですか。いよいよ紅葉も、クライマックスを迎える頃になりました。冬支度はお済でしょうか。 寒さも厳しくなると、長患いをしている箇所ほど、症状が強くなります。今回取り上げる「膝」も、長患いをしやすい疾患の一つです。
例え、事故や外傷というように原因が明確であったとしても、寒さには敏感に反応してしまいます。経験上、良くご存知の方も多いと思います。

1.膝の仕組み

膝は、運動に及ぼす影響、見た目の変形も大きい箇所です。
膝の変形は、40代から始まります。実際に症状が出現するのは、50代からの方に多く見られます。性別では、男:女=1:4で、女性に多く発症しやすい疾患です。
膝はどんな構造かご存知ですか。膝は、大腿の骨である大腿骨、下腿の骨である脛骨と俗にいうお皿の骨である膝蓋骨により、構成されます。

膝関節は、2つの骨が構成する1つの関節ではなく、3つの骨が構成する2つの関節により、成り立っています。
2つの関節には、それぞれ異なった役割があります。
まず一つは、体重を支えている関節である大腿脛骨関節です。大腿脛骨関節は、その名の通り、大腿骨と脛骨で構成されます。
そして、運動の主役である関節です。膝蓋骨と大腿骨の間に、膝蓋大腿関節が構成されます。正座が出来ない、膝が伸びない、階段の昇り降りが出来ない、しゃがみ込めない、椅子から立ち上がれないといった痛みは、この関節に起きます。


膝は、運動に及ぼす影響、見た目の変形も大きい箇所です。
膝の変形は、40代から始まります。実際に症状が出現するのは、50代からの方に多く見られます。性別では、男:女=1:4で、女性に多く発症しやすい疾患です。
膝はどんな構造かご存知ですか。膝は、大腿の骨である大腿骨、下腿の骨である脛骨と俗にいうお皿の骨である膝蓋骨により、構成されます。
膝関節は、2つの骨が構成する1つの関節ではなく、3つの骨が構成する2つの関節により、成り立っています。
2つの関節には、それぞれ異なった役割があります。
まず一つは、体重を支えている関節である大腿脛骨関節です。大腿脛骨関節は、その名の通り、大腿骨と脛骨で構成されます。
そして、運動の主役である関節です。膝蓋骨と大腿骨の間に、膝蓋大腿関節が構成されます。正座が出来ない、膝が伸びない、階段の昇り降りが出来ない、しゃがみ込めない、椅子から立ち上がれないといった痛みは、この関節に起きます。

2.膝が変形するということ

「変形性膝関節症」という状態は、2つの関節を支える、動かす筋力の低下により、引き起こされます。立つ、椅子に座る姿勢の悪さ、運動をする機会の減少が長年に積み重なり、発症します。
では、変形してしまった膝関節の中身は、どうなっているのでしょう。
よく膝の痛みを訴える方が、「私は軟骨が擦り減ってしまって」とおっしゃいます。その「軟骨」というのは、関節部の骨が、特殊な表面をつくり、骨と骨がくっつき合わないようになっている構造のことです。この関節軟骨といわれる部分が、擦れ合い、表面がささくれ立つようになります。
体重を支える大腿脛骨関節には、クッションになる半月板があります。この半月板も、擦れ合い頻度が多くなりすぎると、磨耗してしまいます。特に、内側に起き易いため、O脚という現象になる方が多くみられます。
このように、関節を構成する関節軟骨、半月板の擦れ合いが強まると炎症が起きます。それを鎮めるために、関節内水腫が発生します。
この関節内水腫が、所謂「膝に水が溜まった」という状態です。この水の正体は、関節に常に存在する関節液であり、特別なものではありません。炎症を起こしている状態が改善されない限りは、関節内水腫を取り除く注射を受けられても、その後再び、「また膝に水が溜まった」という状態に陥ってしまうのです。

3.治療

膝関節の変形、痛みの発症は、関節軟骨、半月板、関節内水腫が溜まる関節包、筋肉など様々な箇所の原因が、互いに絡み合い、引き起こされています。そのため、痛みが発症してしまった段階では、もうすでに複雑な状態に陥っています。
この状態を治療するためには、痛みの状態を取り除き、筋肉を動かしやすくする必要があります。
なぜなら、「痛みのために、膝が動かせない」、「膝を支え、動かす筋力が低下する」という悪循環が成り立ってしまうからです。
膝関節部の炎症を取り除き、筋肉を動かしやすくするためには、鍼治療が有効です。痛みのために、膝周囲の筋肉、血管が緊張して、血液循環が落ちている状態です。
関節内部の炎症は、鍼治療により筋肉への血液循環を改善させることで、関節を支えている筋肉が回復し、痛みが減少、消失していきます。
また、水腫を取り除くためには、お灸が有効です。お灸の熱が、水腫により冷えてしまった血液循環を、改善させます。
膝周囲の血液循環の悪さを生んだ背景が、あります。原因として、腎機能の低下が考えられます。腎機能の低下により、腰が冷え、その冷えが徐々に下がり、膝にまで到達したのです。
この状態を改善させるためには、腎機能を回復させる鍼灸治療が必要です。

4.運動

運動時に、痛みが出る主原因となる筋肉は、大腿の前側にある大腿四頭筋といわれています。それだけでは、ありません。膝は長患いしやすいと前述しました通り、膝周囲全ての筋肉に治療と運動が、必要です。
仰向けになり、膝を伸ばし床に押し付け、太腿の前側にある筋肉に力を入れるといった運動が薦められます。
オアシスで、ヨーガ体操をしてらっしゃる方は、是非ご自身のカリキュラムを、しっかり行って下さい。

5.注意

 通風、偽通風、慢性関節リウマチという疾患は、2次的に「変形性膝関節症」を引き起こします。これらの疾患は、診察により、十分に鑑別できます。当院では、病院に紹介が必要と思われた場合は、他院へと紹介致します。鍼灸の処置を変えることで、治療がおこなえる場合は、その基礎疾患に基づいた治療を行います。
長年に渡り膝の痛みを感じていらっしゃる方、最近になり膝が気になる方、是非一度ご相談下さい

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