皆様、お元気ですか。いよいよ紅葉も、クライマックスを迎える頃になりました。冬支度はお済でしょうか。 寒さも厳しくなると、長患いをしている箇所ほど、症状が強くなります。今回取り上げる「膝」も、長患いをしやすい疾患の一つです。
例え、事故や外傷というように原因が明確であったとしても、寒さには敏感に反応してしまいます。経験上、良くご存知の方も多いと思います。
| 膝は、運動に及ぼす影響、見た目の変形も大きい箇所です。
膝の変形は、40代から始まります。実際に症状が出現するのは、50代からの方に多く見られます。性別では、男:女=1:4で、女性に多く発症しやすい疾患です。
膝はどんな構造かご存知ですか。膝は、大腿の骨である大腿骨、下腿の骨である脛骨と俗にいうお皿の骨である膝蓋骨により、構成されます。
膝関節は、2つの骨が構成する1つの関節ではなく、3つの骨が構成する2つの関節により、成り立っています。
2つの関節には、それぞれ異なった役割があります。
まず一つは、体重を支えている関節である大腿脛骨関節です。大腿脛骨関節は、その名の通り、大腿骨と脛骨で構成されます。
そして、運動の主役である関節です。膝蓋骨と大腿骨の間に、膝蓋大腿関節が構成されます。正座が出来ない、膝が伸びない、階段の昇り降りが出来ない、しゃがみ込めない、椅子から立ち上がれないといった痛みは、この関節に起きます。 |

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膝は、運動に及ぼす影響、見た目の変形も大きい箇所です。
膝の変形は、40代から始まります。実際に症状が出現するのは、50代からの方に多く見られます。性別では、男:女=1:4で、女性に多く発症しやすい疾患です。
膝はどんな構造かご存知ですか。膝は、大腿の骨である大腿骨、下腿の骨である脛骨と俗にいうお皿の骨である膝蓋骨により、構成されます。
膝関節は、2つの骨が構成する1つの関節ではなく、3つの骨が構成する2つの関節により、成り立っています。
2つの関節には、それぞれ異なった役割があります。
まず一つは、体重を支えている関節である大腿脛骨関節です。大腿脛骨関節は、その名の通り、大腿骨と脛骨で構成されます。
そして、運動の主役である関節です。膝蓋骨と大腿骨の間に、膝蓋大腿関節が構成されます。正座が出来ない、膝が伸びない、階段の昇り降りが出来ない、しゃがみ込めない、椅子から立ち上がれないといった痛みは、この関節に起きます。
「変形性膝関節症」という状態は、2つの関節を支える、動かす筋力の低下により、引き起こされます。立つ、椅子に座る姿勢の悪さ、運動をする機会の減少が長年に積み重なり、発症します。
では、変形してしまった膝関節の中身は、どうなっているのでしょう。
よく膝の痛みを訴える方が、「私は軟骨が擦り減ってしまって」とおっしゃいます。その「軟骨」というのは、関節部の骨が、特殊な表面をつくり、骨と骨がくっつき合わないようになっている構造のことです。この関節軟骨といわれる部分が、擦れ合い、表面がささくれ立つようになります。
体重を支える大腿脛骨関節には、クッションになる半月板があります。この半月板も、擦れ合い頻度が多くなりすぎると、磨耗してしまいます。特に、内側に起き易いため、O脚という現象になる方が多くみられます。
このように、関節を構成する関節軟骨、半月板の擦れ合いが強まると炎症が起きます。それを鎮めるために、関節内水腫が発生します。
この関節内水腫が、所謂「膝に水が溜まった」という状態です。この水の正体は、関節に常に存在する関節液であり、特別なものではありません。炎症を起こしている状態が改善されない限りは、関節内水腫を取り除く注射を受けられても、その後再び、「また膝に水が溜まった」という状態に陥ってしまうのです。
膝関節の変形、痛みの発症は、関節軟骨、半月板、関節内水腫が溜まる関節包、筋肉など様々な箇所の原因が、互いに絡み合い、引き起こされています。そのため、痛みが発症してしまった段階では、もうすでに複雑な状態に陥っています。
この状態を治療するためには、痛みの状態を取り除き、筋肉を動かしやすくする必要があります。
なぜなら、「痛みのために、膝が動かせない」、「膝を支え、動かす筋力が低下する」という悪循環が成り立ってしまうからです。
膝関節部の炎症を取り除き、筋肉を動かしやすくするためには、鍼治療が有効です。痛みのために、膝周囲の筋肉、血管が緊張して、血液循環が落ちている状態です。
関節内部の炎症は、鍼治療により筋肉への血液循環を改善させることで、関節を支えている筋肉が回復し、痛みが減少、消失していきます。
また、水腫を取り除くためには、お灸が有効です。お灸の熱が、水腫により冷えてしまった血液循環を、改善させます。
膝周囲の血液循環の悪さを生んだ背景が、あります。原因として、腎機能の低下が考えられます。腎機能の低下により、腰が冷え、その冷えが徐々に下がり、膝にまで到達したのです。
この状態を改善させるためには、腎機能を回復させる鍼灸治療が必要です。
運動時に、痛みが出る主原因となる筋肉は、大腿の前側にある大腿四頭筋といわれています。それだけでは、ありません。膝は長患いしやすいと前述しました通り、膝周囲全ての筋肉に治療と運動が、必要です。
仰向けになり、膝を伸ばし床に押し付け、太腿の前側にある筋肉に力を入れるといった運動が薦められます。
オアシスで、ヨーガ体操をしてらっしゃる方は、是非ご自身のカリキュラムを、しっかり行って下さい。
通風、偽通風、慢性関節リウマチという疾患は、2次的に「変形性膝関節症」を引き起こします。これらの疾患は、診察により、十分に鑑別できます。当院では、病院に紹介が必要と思われた場合は、他院へと紹介致します。鍼灸の処置を変えることで、治療がおこなえる場合は、その基礎疾患に基づいた治療を行います。
長年に渡り膝の痛みを感じていらっしゃる方、最近になり膝が気になる方、是非一度ご相談下さい