健康研究サークル『オアシス』会報
オアシスだより 第21号 2003年10月

 
『オアシスだより第21号発行にあたり』
清野鍼灸整骨院 院長 清野充典 

 四ヶ月に一度の発行のときを迎えました。
会員の皆様と会話をする重要な方法ですので心を込めて書いています。心の余裕のあるときに、ゆっくり読んで下さい。
 小泉内閣が総辞職し、日本列島が選挙に突入しましたが、健康に関する根本的な論議は全くありません。一生を元気で送るためには、一人一人の健康に対する意識≠セけです。
インターネットでは知ることの出来ない「知識」、困ったときに助けてくれる人の「手」がこのサークルにあります。どしどし前に出て、ご利用下さい。

平成15年10月15日現在の会員数 147名 

■ 目 次 ■
 『はり』ってなあに?第21回 『鍼灸治療の国際化』
 お灸の話 『お灸と鍼の使い分け』
 体のしくみ その20 『体を守る白血球』
 健やかに育つ小児はり 子供7 『インフルエンザ』
 健康に関する常識 問題3 『解熱剤を飲んだら?』
 昔ながらの生活を知っていますか? 薬草3 『アカメガシワ』
 ウンコ診断学知識16 『灰白状のウンコその2』
 医食同源十二の幕 『霊芝』
 こんなときどうする PART19 『湯あたり』
 体の異常値・正常値 数値十三 『肺活量』





 『はり』ってなあに?第21回
『鍼灸医療の国際化』
清野鍼灸整骨院府中センター 院長 今田 開久


1.統合医療への道
 
 アメリカ、イギリス、日本などの先進国と呼ばれてきた国々の医療事情には、共通した問題点がみられます。その問題点には、慢性疾患や心(こころ)の病の増加、医療費の高騰があげられます。    
 医学の進歩発展、公衆衛生の普及、生活の改善などにより急性疾患は減少しましたが、生活習慣病などの慢性疾患や心身症、うつ病などの心の病は増加の一途をたどっています。これらの病気の治療には現代西洋医学では限界があるとして伝統医学の導入がはかられるようになりました。
 それが代替医療あるいは補完(相補)医療と呼ばれている医療です。アメリカではalternative medicine(代替医療)、イギリスではcomplementary medicine(補完(相補)医療)と呼んでいますが、最近では現代西洋医学の足りないところを補うもう一つの医療ということで両者を結合し、complementary and alternative medicine(CAM:代替・補完(相補)医療)と呼んでいます。CAMの主要な医療が鍼灸医学です。また日本でも統合医療(integrative medicine)と呼んで、新たな研究活動が始まりました。アメリカでは年々鍼灸医療を利用する人が増加していると報じられています。そして医療費の抑制につながるのではないかと期待されています。

2.アメリカ国立衛生研究所(NIH)の鍼に関する合意形成声明書 
 NIHの専門委員会による鍼に関する合意声明(NIH Panel Issues Consensus Statement on Acupuncture,1997年11月5日)の中には、鍼治療が手術後の痛みや抗癌剤投与にともなう吐き気などの治療に有効であり、医療保険でカバーすべきだとする報告書をまとめました。
 委員会が有効性を認知したのは、手術や歯科治療後の痛みの除去と、癌の化学療法や妊娠にともなう吐き気の治療。こうした症状を対象に、鍼治療の医療費を保険で支払うべきだと勧告しました。また、薬物中毒や頭痛、生理痛、筋肉痛、テニス肘、腰痛、喘息の治療やリハビリテーションなどに役立つとされました。更にこれらに限定されるものではないと記されています。この声明書は、アメリカ政府の公式の声明書ではありませんが、信頼性の高い声明書です。この中に鍼治療の効果が明確に記載されたことは大きな意味があります。米国では1972年の訪中をきっかけに鍼治療が盛んになり、現在1000万人が米国内で治療を受けていると言われています。

 アメリカやヨーロッパの国々では、医療の形が代替医療・補完(相補)医療・統合医療へと変わろうとしています。現代の日本は西洋医学が高度に発達し、また、東洋医学も発展継承されていると思われます。しかし統合医療という点では、やや遅れをとっているのではないでしょうか。これからの時代は、西洋医学と東洋医学の特徴を生かした医療の実現が理想でしょう。
 そのためには、医療者の意識改革も大切ですが、統合医学を求める患者さんの意見を世の中に広めていくことが必要なのです。 
 医療は患者さんのためにあるという原点に返って新しい統合医学の創造に期待したいものです。


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 お灸の話 第20話

『「お灸と鍼はどんな時使い分けるの?」』

清野鍼灸整骨院 主任 小野寺 啓


  お灸とはりは昔から夫婦のように同じ扱いを受けてきました。患者さんを治療する時、ある時は灸を用いある時は鍼を用います。
 この2つの医術は切っても切れない関係です。日本では、『はり師』と『きゅう師』は別々の国家資格ですが、国家試験では専門科目以外は同じ扱いです。ここでも夫婦のような扱いになっています。もっともどちらかの専門科目に合格しないと、全ての教科を受験しなおさなければいけませんが・・・。
 では、お灸と鍼はどうやって使い分けていると思いますか?
お 灸は血の流れを良くし、鍼は気の乱れを調整する医術として発生したと古来より考えられています。東洋医学の専門家は血と気の言葉の背景にある意味がわかりますからこの説明が一番簡潔なのですが、それ以外の方には良くわからないと思いますので、 私なりの簡単な言葉での解釈を付け加えます。
 ヒトは体の調子が崩れてきたとき元に戻りたいという現象として「症状」が表れます。この時はまだ体力があります。「鍼」治療で大丈夫です。
 身体を休めずに同じ生活を続けると体内で熱を作る力が衰え冷えを受けやすい状態になります。「灸」治療が必要です。
 体力のある病気の人に対しては鍼治療単独で緩解しますが、体力を消耗し身体が冷えを感じている人や、長期間患っている病気の人は、灸治療が必要だという事です。体調が少しくずれた患者からガン患者まで鍼灸治療が幅広く適応なのはこんな理由からです。

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 『体のしくみ』その20
『体を守る白血球』
清野鍼灸整骨院 主任 金親 孝明


 季節の移ろいも早く、街を歩く人たちの装いも温かなものになってきました。気温も下がり、空気も乾燥して少し油断をすると風邪をひきそうな季節ですね。
 今回は風邪のウイルスから私たちを守る白血球について話したいと思います。
 白血球の働きは簡単に言うと体の中に入ってきた細菌や異物を食べることにより退治することですが、人間の白血球には大まかに分けて顆粒球とリンパ球という2種類があることを皆さんはご存知でしょうか?けがをしたときに体の外から侵入してくる細菌に対しては顆粒球が、そして風邪のウイルスや食物中の体に悪いタンパク質に対してはリンパ球が働いています。
 顆粒球とリンパ球はそれぞれ自律神経である交感神経と副交感神経にコントロールされています。前回の「身体の話」で交感神経は働いているとき、戦っている時、いらいらしているときに働く神経、副交感神経は身体が風邪を治しそうとしているとき、食事をしているとき、リラックスしているときに働く神経と紹介させていただきました。顆粒球、リンパ球それぞれの働きと交感神経、副交感神経のそれぞれの働きを比べてみると、どちらの自律神経がどちらの白血球をコントロールしているかがわかりやすいのではないでしょうか。
 それぞれの白血球の量は交感神経、副交感神経どちらが優位かによって変わってきます。正常の人の平均値は顆粒球約60パーセント、リンパ球が約35パーセントとなっています。
 しかしストレスにさらされていて交感神経が優位になっている人は顆粒球が70パーセントでリンパ球が25パーセントとなります。仕事ですごく疲れている人が風邪をひきやすいのは身体の中でリンパ球が少なくなっていてウイルスの侵入を容易にするからなのです。
 鍼灸は人の自律神経の状態をバランス良くするのに最適な治療方法であることは前回のお話の中でお伝えしましたが、また同時に風邪をひきにくくするリンパ球とけがのときに外からの細菌を防ぐ顆粒球のバランスを整えるのにも最適な医療なのです。
 様々なストレスを抱えている方、身体に疲労を感じている方は要注意です。もしかしたら風邪をひきやすい交感神経優位な顆粒球人間になっているかもしれませんよ。
 鍼灸で風邪をひきにくい身体を作りましょう。

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 『健やかに育つ小児はり』子供(7)

『インフルエンザについて』

清野鍼灸整骨院 主任 小野寺 啓


 インフルエンザウイルスの飛沫感染によりおもに秋から冬にかけて流行します。インフルエンザウイルスにはA、B、Cという3つの型があります。中でも 短期間に広い地域で流行するのがA型とB型です。特にA型はひとたび流行すると規模が大きくなりがちです。流行のたびウイルスの抗原が少しずつ変異するのも特徴です。
 症状は普通の風邪と同じ様に鼻水、のどの痛み、せきなどがみられますが、インフルエンザの場合、熱も高く、ときには39度以上になることもあります。
 頭痛、体のだるさ、筋肉痛などの全身症状も強く出ます。
赤ちゃんや子供の場合、吐き気や嘔吐、下痢などの胃腸症状をともなうこともしばしばです。
 インフルエンザなどの強いウイルスは肺に進むのも速いです。又、ウイルス感染で体力を低下したところに細菌感染を起こして細菌性肺炎を起こすこともあります。
 ウイルスによる病気は西洋医学において特効薬といえるものはなく基本的には対症療法で治療されています。解熱剤、鎮咳剤、去痰剤、気管支拡張剤などを症状にあわせて処方されるようです。細菌感染予防で抗生物質を併用することもあります。しかし原因を取り除くものにはなりません。
 予防接種の有効率は50%で、予防接種を受けたからといってインフルエンザにかからないと思い込むのは危険なことです。
 結局インフルエンザは生活の中での予防が大切ということです。自宅にウイルスを持ち込まない、うがい手洗いはしっかりやるのはもちろんです。
 もう1つ子供に習慣的に小児はりを受けさせることをおすすめします。小児はりは低下した免疫力を上げる働きがありますからインフルエンザの予防にもっとも効果があります。
 今年の冬を元気に過ごせるように、小児はりを!




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 健康に関する常識 問題3
『健康人が解熱剤をのんだら?』
清野鍼灸整骨院 院長 清野充典


 もし健康な人が、まちがって解熱剤を飲んだら体温はどうなると思いますか。
 解熱剤は、乱れた体温調節中枢を正常にし、高すぎる調節温度を下げる働きがあります。
 だから、高熱の人が解熱剤を飲むと、熱の放散が促されて、体温が下がります。しかし、健康人が解熱剤を飲んでも、体温調節中枢の働きは正常のままだから、体温は変化しません。
 また、病人が解熱剤で熱を下げても、病気が治ったわけではありません。それどころか、熱が下がったと安心して仕事などをすると、かえって病気が悪化するのです。
 解熱剤で熱を下げるのは、苦しみを和らげて、病気に打ち勝つ体力をつけるためなのです。
 解熱剤は決して病気を治すものではないのです。

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 昔ながらの生活を
    知っていますか?薬草3
『胃のただれ、潰瘍に‐アカメガシワ』
清野鍼灸整骨院 院長 清野 充典


 本州、四国、九州の良く日のあたる山野に生える落葉性の高木で、赤芽槲と書きますが、ゴサイバ(五菜葉)ともいい、雄と雌は別株で、新芽が赤くて美しいので、この名があります。
 ゴサイバは、お地蔵さんや野仏,寺社の前などに食べ物を供えるとき、この葉にのせるので、菜盛葉ともいいます。中国名は梓(ただし誤用)、酒藥子樹(中国にある近縁種の名前)で、生薬名は未設定です。薬用部は、茎および樹皮です。
 樹皮には、やや多量のタンニン質が含まれています。葉は噛むと粘り、やはり渋いです。
 なお、琉球以南の熱帯に産する同属のクスノハガシワの果皮の表面の赤い腺毛及び束毛は、カマラと呼ばれ、古来、西洋医学でサナダムシ駆除に用いられた歴史があります。樹皮は消炎性が強いので、西洋医学的に、胃炎、胃潰瘍の治療剤の製造原料に利用されていた事があります。
 さて、江戸期の和法書「諸国古伝秘法」には、腫物、癰、疔に“アカメガシワノ葉三匁、スヒカズラ三匁、アケビカズラ一匁、ヲ煎ジ用ヒ、白ナタマメノ黒焼き、ゴマノ油ニテトキツケテ妙ナリ(不思議に良く効くという意味)”とあり、これは腫物(化膿巣)が出来たときの飲み薬(アカメガシワの葉11グラム、忍冬4グラム、木通4グラム)と、つけ薬のこと(白ナタ豆の黒焼きを胡麻油で練ったもの)を述べたものですが、今流にいうと、内用剤は忍冬、木通の利尿効果です。ところが、当時は、まだ、ほとんどの皮膚病を瘡の病と考えていたので、瘡気(かさけ)につけて効くものは、吸出し薬であれ、じくじくした湿疹(瘡)につける消炎剤であれ、解毒剤であるという風に混同され、勘違いもされてきました。そこで、こういう外用剤を毒を散らす目的で内服にも用いた形跡があります。
 ここに出ているアカメガシワの葉やスイカズラの葉がそうですし、ドクダミなどの場合も、その影響を受けたふしがあります。
 また、もう一つ「秘法録」には、アカメガシワ(除鬼樹)の葉だけを膿の吸出しに用いた例が書いてあります。
 “除鬼樹、葉茎トモニ大釜ニテネリツメ、ネバネバトナリタル時、蝸牛ノ黒焼ヲイレ、練リアワセ置キ、ネブト(根太、?、カルブンケルのこと)腫物ニハ箆ニテ引ベシ”とあります。
 なお、タンニン質の消炎効果については、スイカズラの薬草のときご説明いたします。

 家庭での正しい利用法
@ 吸出しには、アカメガシワの葉を葉柄ごと採り、上記の「秘法録」の記載に準じ、応用するといいでしょう。カタツムリの黒焼は入れなくてもよいです。
A 浴料としては、葉を刻み、桃の葉と同じ様にして使います。汗疹、かぶれなどに良いです。
B 胃のただれや潰瘍に、1日量として樹皮5〜10グラムを煎じて毎食間に服用します。
 ただし,個々人で勝手に判断せず、検査で胃壁の回復状況を確認してもらうと良いでしょう。濃度が濃いと、時に吐気を催しますが、心配は要りません。
 なお、排便には十分に注意しないといけません。1日1回以上,十分な量の便(800グラムくらい)が出るように心がけ,少ない人は、ハブソウやエビグサの種子、またはギシギシの地下茎を適量に加え、一緒に煎じて用います。


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 ウンコ診断学 知識(16)
『灰白状のウンコその2』
清野鍼灸整骨院 院長 清野 充典


 前回より大人のウンコの色による病気の見方を開始しました。まずは灰白色です。灰白色のウンコは5種類あります。前回3つご紹介致しましたので残り2つです。

4 灰白状のバナナ状のウンコ  

 黄疸にかかったときに出る、大変危険なウンコです。このウンコが出るときは、おしっこの方も番茶のように茶色になったりして、もうかなり重症になっています。黄疸とは、肝臓、胆嚢に障害が起こったとき、全身が染まる病気です。
 ウンコの元になるビリルビンは、血液中のヘモグロビンから作られますが、肝臓が悪くなると、ビリルビンが胆汁の中に送り込まれずに、血液中に吸い取られ、血液を黄色に染めてしまいます。黄色になった血液は、体内をめぐり、皮膚や粘膜を黄色に染め、甚だしい場合は全身がまっ黄色になってしまい、汗や涙までも黄色になります。また、肝臓が悪くなくても、胆汁を流しだす管(胆管)がつまったときにも黄疸は起こります。
 この黄疸を引き起こす肝臓の病気には、急性肝炎、肝硬変症、肝臓癌等があり、胆管をつまらせるのは、胆結石によることが最も多いようです。これらの病気は、専門医による診断と治療が必要ですから、勝手に薬などを飲まないで、医療機関に行って下さい。
 黄疸でも初期のうちには、ウンコの色は白くありません。ビリルビンが少しでも腸に排泄されてウンコに混じれば、たいてい黄褐色ぐらいの色はつきます。ですから、黄色みの無いウンコがでたら、よほどの重症と考えて、専門医の診断を受けることが必要です。固さが健康便と同じだからと油断してはいけません。

5 灰白状のカチカチ状のウンコ

 これは、バリウムを飲んだときのウンコです。バリウムは、胃腸のレントゲン検査の時に飲むわけですが、これは、ウンコを固くする傾向があります。ですから、正常なウンコにバリウムが混じると、ちょっぴり便秘気味になるのです。
 バリウム以外にも、胃腸薬に含まれている珪酸アルミニウムや水酸化アルミニウムなどを飲むと白っぽくなりますが、これは、よほど大量に飲まなければウンコが白くなりません。しかも、カチカチ状になるのは稀です。いずれにせよ、2、3日経てば、元に戻りますから心配は要りません。
 なお、便秘症の人が、このバリウム検査を受けると、便秘が原因で思わぬ病気を引き起こすことがありますから、その旨を専門医に話をして、下剤を併用するなど、対策を講じてもらいましょう。

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 医食同源 十二の幕 
『霊芝』 始皇帝も探し求めた現代の「仙薬」
清野鍼灸整骨院 院長 清野 充典


 孔子の本を集めて燃やし、儒家を生き埋めにしたほど儒教が大嫌いであった秦の始皇帝は、一方で神仙思想の大ファンでした。神仙思想とは、精力を失わずに不老を保ち、神や仙人の域に達しようとする主張のことです。
 始皇帝は東方に仙人の住む小島があると信じ、数千人の探検隊を派遣しました。探検隊は日本にも漂着しましたが、その彼らが探し求めていた仙薬の一つが霊芝だったということです。
 中国最古の薬草の本「神農本草経」でも、霊芝はまさに仙薬として紹介されています。
 霊芝が珍重されてきたのは、希少性によるところが大きいのです。なにしろ、自生している霊芝を発見することはほとんど不可能だったのです。霊芝が発見されると、「吉祥の印」とされ、宮中では祝宴を催し大赦令まで下るほどだったのです。
 そんな霊芝も一九七〇年代に中国と日本で人工栽培に成功し、ありがたみが薄れてしまいました。
 しかし、それを契機として、その薬効の本格的な研究が始まり、霊芝にはガン、喘息などのアレルギー病、肝炎、脳卒中、心筋梗塞、高血圧、糖尿病などに効果のあることが確かめられました。霊芝で長寿になるというのも、嘘ではなかったのでした。
 ただし、霊芝をもちいるなら、どのような薬効があるのかを具体的に確かめてから購入するべきですね。

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 こんなときどうする PART19 
 『湯あたり』
清野鍼灸整骨院 院長 清野 充典


 『湯あたり』
 心臓がドキドキして目まいを起こす。足を高くして全身の力を抜いてゆったり休む 
 

 日本人は風呂好きで、ゆったりと湯船に使って疲れを癒すのは健康に良いですが、あまり長湯をすると、心臓がドキドキしたり、目まいを起こしたりする人がいます。
 これが湯あたりで、一種の貧血症状です。湯気で皮膚の毛細血管が開き、そこに血液が集中するため全身の血液循環が悪くなって起こるものです。入浴中、この症状が出たら、直ぐ風呂から上がり横になることです。
 この時、傍にある衣服などに足を乗せ、高くしておくと良いでしょう。全身の力は抜いてゆったりと休むことが大切です。
 少し楽になったら、窓を開け通風を良くして、冷たいタオルで顏からつま先まで全身を拭きましょう。
 そして軽く衣服をまとい、再び窓側に頭を向けて、脚を高くしてしばらく寝ていると回復するはずです。
 なお、湯あたりを防ぐために、風呂場には必ず換気扇をつけて、空気の通風をよくすることが大切です。



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 体の異常値・正常値(数値十三) 
『肺活量』 日本人の平均値は3500ml、深呼吸を続けると1分間に最高126リットルの空気の出入りができる
清野鍼灸整骨院 院長 清野 充典


 日本はかつて「水泳王国」と呼ばれていました。戦争直後、打ちひしがれた日本人の心に希望をともした、古橋、橋爪の名は永久に残るでしょう。
 このような水泳選手の中に山中という人がいます。彼は海女の息子で、小さいときから海にもぐって遊ぶうち、水泳の素養を身につけていったといいます。海女は、アクアラングも何も使わず、長い間海の中に潜っている事が出来ます。これは、肺活量が人一倍あるからです。山中選手が長距離を泳げたスタミナは、彼の並外れた肺活量にあるという人もいるくらいです。
 息を思いきり深く吸い込み、それから、思いきり吐き出した量を肺活量と呼んでいます。肺活量は、男女の差のほか、年齢と身長に比例しているのが特徴です。肺活量は酸素の必要量、つまり、体表面積に比例するからです。男性では1平米で2.5ミリリットルぐらい必要です。日本人の平均は約3500ミリリットルといわれています。男性で3000〜4000ミリリットル、女性はこの70〜80%で、2000〜3000ミリリットルです。
 普段私たちは約450ミリリットルの空気を出し入れしています。しかし、これは、肺の全力を使っているわけではありません。走ったり、何か運動をしたときの為に、かなりの余力を残しているのです。
 普通に息を吸った後、まだ、吸える空気の量を吸気予備量と言います。これが,普段のときの約3倍,1550ミリリットルばかりある。また、普通に息を吐いた後、まだ、吐ける量を呼気予備量と呼びます。これが約1500ミリリットルと、やはり三倍くらいあります。
 普段の呼吸量に呼気、吸気の予備量を加えたものが肺活量なのです。息を全部吐き出してしまったら、肺の中は空っぽになるかというと、そうではありません。思いきり、息を吐き出しても、肺の中には1350ミリリットルほどの空気が残っています。これを残気量と言います。つまり,肺の容積は肺活量に残気量を足したもので,日本人の場合は、約5000ミリリットルと推定されています。
 深呼吸を続けると、一分間にどれだけの空気が出入りできるかを調べてみたら、男性で126リットル、女性で94リットルという数値が出ました。
 さて、あなたは自分の肺活量を知っていますか?
 『第16回オアシスの集い』で測定できますよ。


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