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二十一世紀がスタートしました。 医療システムは、西洋医学・東洋医学のへだてなく、行なわれるようになるのは、今世紀の早い段階に実現されることでしょう。 また、皆様のご意見を心よりお待ち申し上げております。 |
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■ 目 次 ■
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鍼治療は皮膚に鍼を接触したり、皮下や筋肉内に刺入したりして、様々な刺激を与えて治療を行います。灸治療は、皮膚に直接または間接的に艾(モグサ)を置き、温熱刺激を与えて行う治療法です。 鍼灸治療の起源は古代中国と言われていますが、千数百年前に海を渡り、わが国でも現在まで中国とは少し違った形で発展してきました。その中で中国にはない治療法も生まれて来ています。日本人が鍼と灸の両方の良さを同時に行う方法として考え出したものが「灸頭鍼法」です。これは鍼を刺して、その頭のところに艾を着けてお灸を行うものです。 灸頭鍼法は、昭和6年に東京の芝で開業されていた、笹川智興先生が始められたと言われています。婦人雑誌に掲載されたことがきっかけで、広く知られるようになったものです。現在は中国でも同様の治療をしていますが、以前に紹介した耳鍼法や低周波置鍼療法(低周波鍼通電療法)などと同様に、鍼灸治療が外国で発達したものの一つと言えるでしょう。 灸頭鍼は、慢性的で頑固な痛み、特に寒冷が原因で起こるものに大きな効果があると言われています。五十肩、腰部痛、腹部症状、婦人科疾患、神経痛など特に冷えが原因となる症状では、灸頭鍼法を行うと、なんとも言えない心地よさとともに症状が楽になっていきます。 灸頭鍼は、艾が燃えるときに大量の煙が出ること、火を使うため火傷の危険があることの理由で、赤外線などの電気熱で代用することもありますが、身体の状態によっては艾を使った治療のほうが、効果が高いことがあります。 当院では、患者さんの体質や症状に合わせて色々な方法を組み合わせて治療を行っております。 |
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第13話 『ツボの取り方』 文責 眞野 仁 |
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最近はうれしいことに東洋医学に対して関心が高まって、健康雑誌のみならず一般の女性雑誌、テレビ番組(スパスパ人間学、あるある大辞典など)にもいろいろな健康増進のツボが紹介されるようになってきました。東洋医学が少しずつ社会に溶け込んでいっていることを表わしていることとうれしく見ています。 ところで鍼灸の治療家にとってもツボをどう取るかという事は、じつはとても難しいことです。それはもちろん、取り方を覚えていないからではありません(覚えていなかったら大変だ!!)。実は同じツボでも長い歴史の中でいくつか取り方があって、その取り方によって場所が微妙に異なるからです。1、2センチぐらい違うこともあります。それに、人によって、日によっても少しずつ違えないといけません。本に書いてある通り取ればいいというものではないのです。 江戸時代文政年間に水戸家の侍医をしていた原南陽医師が「叢柱亭医事小言」という本の中で、「骨空、分肉の中に経穴は求める。故に銅人形ばかりを知るのみにて治療の実地に関わらず」と記しています。「骨空」は骨と骨の隙間、「分肉」は筋肉の溝、「銅人形」は経穴(ツボ)を覚えるために作られた銅製の人形のことです。先の文章は、銅人形はツボの方角を知るだけのもの、ツボの部位を記述した成書は方角の道標だけのもので、治療の際にはそこを足がかりにして本当のピッタリの場所を探し出せ!ということです。身体中のどんなツボも、その人にピッタリ合った場所はそこを押すとピンと響くところです。 テレビや雑誌に出ているツボを使ってみるときは、場所の取り方にあまり神経質にならず、大ざっぱな位置を確認し、その周辺をよく押してみて最も響く場所を選ぶようにするといいと思います。ときどき「効くと言われていたところにお灸をしてみたけど全然効かなかったよ」といわれることがありますが、もう一度このツボの取り方でやってみてください。我々もよく「お灸は効くものでなく、効かすものだ」と言われます。是非やってみてください。 もちろん我々に聞いて いただくと確実です。 |
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【体温とは】 それは「身体の中の温度に決まっている!」なんて声が聞こえて来そうですが、実のところ医学的なはっきりとした定義はないんです。というのも身体の温度というのは、測る場所や条件によって一定ではないからです。例えば身体の内側といっても、肝臓内の温度は他より高いと考えられますし、激しい運動をしているときの筋肉の温度は非常に上がります。(マラソン選手が2時間走り続けているとき、腋の温度は38から39度にもなる。)また案外、脳の温度も高いといわれています。では、どこの温度をもって体温というべきでしょうか? 身体の熱は身体の各所で行われている、新陳代謝(しんちんたいしゃ)によって作られます。そして、この熱は全身をめぐる血液の温度に反映されます。心臓は全身から血液を集め再び送り出す器官ですから、そこから出る大動脈の血液の温度は体温の代表選手としてよいでしょう。しかし、大掛りな器械でもない限りこんな温度を直接測る事はできません。ですから便宜上、腋の下のくぼみ(腋窩)、口の中(口腔)、お尻の中(直腸)などの温度を測って体温とし、医学的にはあえて『臨床検温』という言葉を使います。(もちろん体温で充分通じますよ) ※代謝とは新しいものがどんどん古いものと入れ替わり、バランスを保ち続けることです。 【体温調節のしくみ】 【体温の測り方・注意事項】
以上、ちょっとした工夫で測定による誤差は少なくなります。今度風邪を引かれたときにでも試されてはいかがですか?もちろん試さなくて済むよう祈っておりますが・・・ |
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痔と即断するのは軽率 便にまっ赤な血が混じっていたら、誰もがギョッとし痔だと思うに違いありません。 |
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空腹時に血液1dl中に80〜100mgで正常 血糖とは血液中にあるブドウ糖のことで、エネルギーの源になり、生命を維持していくのに大切な役割があります。血液中のブドウ糖の値は、多すぎると血管、神経、その他の臓器に害を与え、少なすぎると脱力感、冷や汗などの低血糖症状をおこします。したがって空腹時に80〜110mg/dlぐらいの正常値を保つためにいろいろなシステムでコントロールされています。 三度三度の食事時間になると空腹感を覚えますが、これは血糖値の変化によるものです。つまり我々の身体は血糖値がすこし下がると空腹感を覚えます。そうすると食事をとることになるわけですが、その後30〜60分たつと一時的に血糖値は上がります。そうなると膵臓からインシュリンが分泌され、血糖値を正常まで下げてくれるのです。 糖尿病がひどくなると、空腹時でも血糖が200〜300mg/dlもあり、50g負荷すると、400〜500mg/dl(正常の3倍)ぐらいになり大量の糖が尿に出てしまいます。 こうなると濃い血糖を薄めようと患者は水を要求します。ひどい場合は、10分間にコップ10杯もの水を呑むようになります。糖尿病は悪化するといろいろな合併症を起こし、はては昏睡状態に陥り死にいたる場合もあります。 膵臓の働きをよくする薬はないため、血糖値を下げるためインシュリンを注射する方法が西洋の医療ですが、結果的にはインシュリンを作る働き、つまり膵臓の働きはますます衰えます。 |
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急性下痢の原因が割合単純なのにくらべて、慢性下痢は、かなりたくさんの原因によって起こります。おもなものをあげると、つぎのようになります。
いずれの場合も内臓の働きが低下し、大腸の 機能が特に正常な範囲からはずれたときに起 きます。 |
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日本人が牛乳を飲み始めた歴史は、意外に古いです。記録では、孝徳天皇(在位645〜654年)の時代に唐からの帰化人が牛乳を搾り、天皇に献上したといいます。その後、貴族の間で牛乳を飲むことが広まり、”酥(そ)”というチーズのようなものも作られたとのことです。最近、発見された奈良朝の左大臣・長屋王(ながやのおう)邸跡から出土した木簡(木の札に文書を書きしるしたもの)にも、当時の貴族が牛乳を飲んでいたことが記録されています。 こうした歴史があったにもかかわらず、日本人の食生活の中に牛乳は根づいていません。明治になって福沢諭吉が牛乳の持つ薬効に着目し、牛乳を”仙薬”とほめたたえましたが、それでも庶民の飲み物とはなっていません。 |