清野鍼灸整骨院 院長 清野充典

健康研究サ−クル「オアシス」に御入会下さいましてありがとうございます。
私共は皆様の病気・外傷を改癒すべく、治療にあたらせていただいておりますが、古くより東洋医学では、「未病を治す」という言葉があります。
病気にならないようにするのが医学の務めとされております。
患者さんの健康の維持・増進の手助けをさせていただくのが医学の本道と考え、当会を発足することにしました。

 皆様の健康管理の窓口として、是非当会を御利用下さい。

「清野鍼灸整骨院」は、昭和62年2月2日に最新の鍼灸治療を広く皆様に提供するため、京王線の調布駅南口にて開業致しました。
その後母校明治鍼灸大学の卒業生を中心に治療所を拡充、平成3年4月6日に東府中駅前に「明治鍼灸整骨院」開業し、地域住民の健康管理のお手伝いをさせていただいています。

 尚、平成4年6月10日、清野鍼灸整骨院は調布東口に移転し、現在に至っています。


■ 目 次 ■
 ‥‥……第1回 鍼の歴史……‥‥

 ‥‥……第一話 私たちとお灸……‥‥

 ‥‥……その1 骨について……‥‥
 ‥‥……1の巻 『養生』という言葉……‥‥

 ‥‥……(1)カゼをひくと『セキ』や『クシャミ』がでるのはなぜ?……‥‥

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 第1回  『鍼の歴史』   文責 今田開久

 中国ウン千年の歴史が生んだ鍼療法と言いますが、それではいつ頃鍼療法が誕生したのでしょうか。  最も古い原始的な鍼器具は、石器時代に生まれたと考えられています。それは、「石(へんせき)」といわれています。
  石とは、石をキリまたはクサビ形に磨いて作った鋭い石器のことで、主に皮膚や筋肉を刺激したり、怪我などで化膿した部分の切開排膿、腫瘍の切開や、瀉血などに用いられていました。
これが後に金属製へと変わり、今日の鍼治療に用いる鍼や、外科で使うメスの様なものに変化したのです。
 現在使われている金属製の鍼は、いつ頃誕生したのでしょうか。鍼治療の起源は、中国の古い医書「黄帝内経霊枢」〔秦・漢の時代、紀元前300年前後(日本では縄文時代)に書かれたものと言われている〕の中にあります。
9種類の金属鍼具である「九鍼」で、その名称、大きさ、形状、使用法などが記載されています。
  これらは、それぞれ病気に対する用途が決まっており、用い方を誤ると病気を治すことができないと言われています〔この古代九鍼(複製)は、当院でも見ることが出来ます〕。

 そして現在、私たち鍼灸師が最も多く治療に使うのが「毫鍼」と呼ばれるもので、長さは1〜10cm程度、太さは0.1〜0.5mmと、沢山の種類があります。
また用途により、ざん鍼〔(ざんしん)現代の小児鍼〕や 鍼(ていしん)なども広く普及しています。
 もちろん鍼の質も治療法も進歩してはいますが、現代の鍼の起源が、日本では縄文時代にあたることを考えると、その歴史の古さと伝統に驚かされますね。
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 第1回 『私たちとお灸』   文責 眞野 仁

 ほんの少し前まで子供がいたずらしたのを注意することを『お灸をすえる』と言ったものですが、今では、そのすえるためのお灸(もぐさ)自体が一般 の家庭から消えてしまいました。

 ずいぶんとなじみのうすくなってしまったお灸ですが、昭和の初期頃までは専門家にはもちろん、家庭でも行なわれる養生・治療法の代表選手でした。
その理由は何よりも治療効果、そして手軽さ、安全性にあるでしょうか。
 つまり治療効果という点では、江戸時代まで人々の健康を支えてきた正統な医療の一つだったことからもうかがえます。
またその医療(漢方薬・鍼・灸・整骨そして一部外科)の内では最も技術が修得しやすく安全なものだったためでしょう。

 この民間療法の主役としてのお灸の歴史は古く、中国でも紀元四百五十年頃(日本では聖徳太子が登場する約百五十年前)に書かれた「小品方」という本にすでに見られます。
その中に、「いったい針術は師があってはじめて行いうるが、灸はだれでも施こしうる。」とあります。
この考え方は後代にも大きな影響を与え、中国・日本共に見ることができます。
日本では特に江戸時代、民間向けに「養生訓」などの養生法の本が盛んに書かれますが、その中でも日常生活の上での諸注意、民間薬のことと共にお灸は大きな位 置をしめています。

 また、落語のネタとしても用いられ(「強情灸」など)、川柳などにも読み込まれているのを見ても、多くの人々にとってお灸がとても身近なものだったことが分かります。そしてそれは幾多の困難に会いながらも明治、大正、昭和の初期まで続きます。

 このコ−ナ−ではそんな『お灸』について述べていきたいと思います。はいますが、現代の鍼の起源が、日本では縄文時代にあたることを考えると、その歴史の古さと伝統に驚かされますね。
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その1   『骨について』     清野鍼灸整骨院    院長 清野充典

★骨のつくり
 骨は、外側の薄い骨膜にもさらに内側の硬い骨膜部にも、中心の骨髄部にも、細かい血管が沢山通 っていて、栄養を運び込んだり、血液の成分を送り出したりしています。

★骨がつながるしくみ
 折れた骨は、もとどおりにつないでおくと(整復)、骨の中に流れている血液中の栄養を元にして、裂けた部分からネバネバした液を分泌し、すき間をうめて、少しずつ固くなっていきます。(骨折後4〜5日目より)
 そこへ骨膜や、骨折部から分泌した造骨細胞という液がしみ込んで、固い骨に変わり、骨折部をしっかりつないでくれます。(2〜3週間目に大分できあがります。)

★骨を強くするには?
 骨は体を支えたり、血液を造ったりする重要な場所ですが、更年期になると、急速にカルシウムが減ってくるため、骨粗鬆症という病気になり、骨がもろく折れやすくなったりします。それを防ぐには、1日20〜30分位 の日光浴をして、カルシウムやビタミンDをとることが必要となります。カルシウム分の一番多い大豆食品(納豆や豆腐類)、海草類を多く食べると良いでしょう。

★骨とはり治療
 はり治療やSSP療法(低周波ツボ表面療法)をすると、骨折の治りは1週間以上早くなることがわかっています。また定期的に治療をつづけていると骨粗鬆症の人の骨も、「スカスカ」だったのが、びっしりとしまってくることはレントゲン検査でも証明されています。

 脳と心臓以外の筋肉はほとんど再生されます。人間の生命力のすごいところです。
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1の巻  『養生』という言葉    文責 伊賀裕一  

 「養生」という言葉を日常よく耳にしますが、これは案外、何気なく使っていることが多くありませんか?たとえば、ある人が病気でなかなかよくならないときに、「それは養生がたりないからだ。もっと充分養生すべきだ。」とか、「病後には養生第一だ。」ともいうでしょうし、時には自分自身で、「私はもっと養生して、病気にならないようにして、長生きをしよう。」とか「生まれついたこの身体、充分気をつけてもっと健康増進を心がけよう。」などと思うかも知れません。

 「養生」という言葉じたいこれを「ヨウジョウ」と読むか、「ヨウセイ」と読むかによってその意味するところが違ってきます。
つまり、冒頭の前者の場合は「ヨウジョウ」に相当して、後者は「ヨウセイ」に相当すると思います。
いいかえると、「ヨウジョウ」とは、病後の養生などということであり、「ヨウセイ」とは、病気などにならないように努力し、健康保持・増進に努め、長寿を保ちたいという意味があることになります。

 また、医療行為は、キュア(cure=治療)とケア(care=看護・用心)の二つに大別 され、そのうちのキュアはまったくの医療行為ですから、医師をはじめと する医療関係者が関与しますが、(医療関係者以外の医療行為は民間療法といわれます。)ケアは一般 の人が誰でも関係する部分です。

 いま、養生をこのケアについてあてはめてみると、「ヨウジョウ」はケアのうちでも、「アフタ−ケア」に相当し、病後の養生、看護、看病、健康回復の願い、再発の防止などを意味していると思います。一方の「ヨウセイ」は、「ビフォア−ケア」あるいは「プライマリ−ケア」が相当します。

 この言葉のうちには、疾病の予防、健康維持、体力増強、衛生、摂生、生命維持の持続ひいては不老長寿などの意味がこめられています。

 病気にならない身体をつくり、また病後の回復を手助けするのに東洋医学は最も適している思想であり、治療法だといえるでしょう。

 この欄では、日常の生活における注意点を中心にお話を進めて行きます。
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Q カゼをひくと『セキ』や『クシャミ』がでるのはなぜ?

A…かぜ(感冒)は、空気の中に浮遊しているウイルスを吸い込むことによっておこります。
  鼻の中に、侵入したウイルスは、そこで増殖しようとしますが、これを察知した白血球の攻撃を受けます。
しかし、不幸にも、ウイルスの方が勢いが強い場合は、白血球による処理が間に合わず、ウイルスは、増殖する足場を固めてしまいます。すると鼻は、ウイルスを洗い流してやろうと、盛んに鼻水を分泌し始めます。
そして、クシャミも出して、さらにウイルスを追い出しにかかります。
これがいわゆる『鼻かぜ』です。
  しかし、ウイルスが、しぶとく生き残ると、奥へと侵入し、今度はのど(咽頭)を冒し始めます。するとのどはセキをしてウイルスを追い出そうとするのです。
  こうなると、のどが乾いた感じになり始めて痛みをおぼえるようになります。
  それでもなお追い出せず、ウイルスが生き残ると、さらに奥の気管に侵入してしまいます。
すると、気管は、粘膜から分泌した粘液でウイルスをとらえ、せん毛の動きによって、痰としてのどの方へと押し上げていきます。
  そしてセキをしてその痰を体の外へ排出しようとします。
このセキは、のどを冒されたときよりも深くて、激しいセキとなります。

このように、かぜ(感冒)とは、
 ●鼻の異状 …鼻水・鼻づまり・クシャミ
 ●のどの異状…のどのはれ・痛み・乾く感じ・比較的浅いセキ
 ●気管の異状…痰・比較的深いセキ

というふうに、鼻から気管分岐部(上気道)を冒し、またセキやクシャミによって他人へと感染していく病気なのです。

 かぜ(感冒)をひくと、鼻水やセキやクシャミが出るのは、まず、異物の侵入を受けて鼻水で洗い流そうとする鼻のはたらきと、それでも奥に侵入したときに、粘液につつんで、せん毛の動きでもって、気道の外におしやろうとする、のどや気管のはたらきによるものなのです。

 このように、人の身体は、ウイルスなどの病原菌を取り除こうとする『防衛力』をもっているのです。
この『防衛力』を最大限にたかめようというのが、はり・きゅうの最大の特徴です。
薬を飲んでもよくならなかった方が、はり・きゅう治療をしてかぜがよくなることがそれを証明しています。はり・きゅうがなぜ効くか。それは免疫力をたかめることにあるのです。
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《清野鍼灸整骨院院長 清野充典》